岐阜・長野の旅③~天空のキャンプ場~最高の思い出をどうしてくれる!
最初に断っておくが、途中で不愉快な話になっていくことをご容赦いただきたい。
不愉快な話をわざわざ書いて、読者のみなさんをも不愉快にさせることには抵抗がある。
しかし、問題提起としても書いておく必要があると考えた。
2018.8.2
開田高原キャンプ場を9時半頃出発し、県道361号線を走る。
山の中の道ではあるが、適度なカーブとアップダウンで心地よい。
またとうもろこし畑や田んぼを、空の青さと山の緑が包み込んでいる風景も美しい。
車のエアコンはつけず、窓を開けて風を感じながら走った。
と言っても、特に何があるわけでもないが。
開田高原は御嶽山のすぐ近くにある。
名古屋場所で初優勝した御嶽海は木曽郡上松町の出身。
あちらこちらで御嶽海を見たぞ。
本人じゃないぞ。
ポスターやら、キャラクター化した絵やら、表紙を飾っている雑誌やら、似顔絵をあしらったせんべいやら。
そりゃそうだなぁ。
長野県初の優勝力士。地元の人たちからしたら、おらが町のヒーローだわな。
そうこうしているうちに、昨日さんざん通った国道19号線に出る。
最初の休憩場所は、道の駅 日義木曽駒高原。

こういう場所。
そして、

こういう場所。
そうか、木曽と言えば忘れてはいけない、木曾義仲。
この辺りが平家討伐のための旗揚げの地だったのか。

ここでも、空の青さと山の緑のコントラストが美しい。
半分、青い。半分、緑。うそ。4分の1、緑。4分の1、アスファルト。
気づけば、国道361号線に入っている。
そして、気づけば伊那の町が広がっている。
こんなふうに書くと、熱中症か何かで頭がボーッとして、無意識に運転していたようだが、もちろんそうではない。言葉の綾というものだ。
昨日、M氏から駒ヶ根で買い物をしたほうがいいとアドバイスをもらっていたので、スーパーをさがす。
ベルシャイン駒ヶ根店を発見。
かなり大きな店だ。
買い物も終え、ガソリンも入れ、後は目的地を目指す。
その前に、いつものように温泉だ。
ナビ子に「四徳温泉」を経由地にセットした。
苦難はそこから始まった。
目指す陣馬形山を攻略するには、ある程度ハードなアクセスを覚悟しなければならない。
事前に見たウェブサイトでも、そういったことはよく見た。
この道でホントにいいのか、と迷いながら行くのが定石だとも。
ナビ子に従い走ると、あっという間に道が狭くなった。
まだ十数㎞先のはずだが、この道でホントにいいのか。
とても離合できそうにない道がずっと続く。
これが覚悟を決めて走るハードなアクセスなのか。
対向車が来ないからいいようなものの、もし出くわしたら泣くで。
一応舗装されているだけマシか。
ドキドキしながら走ると、陣馬形山と四徳温泉の分岐点に出た。
一瞬、温泉は諦めようかとも思ったが、その時点で緊張の汗がドボドボだったので、やっぱり入ることにした。
もう一つ、事前に見た行き方と絶対違うので、この後どんな恐ろしい道が待っているか不安だったこともある。
折草峠というところを下る。
せっかく登ってきたのに、こんなに下っていいのかというほど、下る。
ここも結構な隘路だったが、何とか四徳温泉にたどり着いた。
また写真を忘れたが、ここはキャンプ場を併設している。
なかなかの高規格キャンプ場なのではないだろうか。
受付のお姉さんに日帰り入浴だと伝え、600円払う。
コインロッカーはないので、貴重品は受付に預ける。
今日も貸し切り。
浴槽は大きくないが、ぬるぬるの泉質で運転の緊張がほぐれた。
さて、いよいよだ。
いつも前向きのナビ子は、もう後戻りしない。
戻ったほうが絶対早いと思うが、ここはナビ子に乗った。
今来た折草峠を再び登り、分岐点から未知の道に乗り込んでいくことにためらいがあったからだ。
少々遠回りでも、事前に調べておいたお薦めの道で行きたい。
そう思って、前に進んだ。
地図で見る限り、相当遠回りすることになりそうだ。
しかし、道としてはずいぶん楽。
これなら大丈夫。
今、改めてGoogleマップで確認すると、四徳温泉から後戻りすると、8.6㎞で40分。
前向きに進み、中川村役場や風三郎神社を通るノーマルアクセスが、24.8㎞で1時間。
えっ?
3分の1強の距離なのに、差は20分?
やっぱりやばいんや。よかった、戻らんで。
小渋湖の辺りは工事車両がガンガン走って怖かったが、全然平気。
確かに、陣馬形山への登り口辺りからは、道も狭くなり、くねくねの連続になった。
それでも、先ほど温泉に行く前に走った道と比べたらずっとマシだ。
前に2台走ってくれていたのもありがたかった。
そして小一時間走り、ようやく到着。
あ、言うとくけど、この苦難の道のりが冒頭で述べた不愉快な話ではないぞ。
これからだぞ。
陣馬形山キャンプスペース(陣馬形山キャンプ場)

ドーン!
あれ?伝わりにくいか。
天空のキャンプ場と言われる、標高1400mを超える場所。
ここが何と、無料。
車横付け、できない。

駐車場が見えるが、これくらいの距離で、荷物を運ぶ必要がある。

ここは4段の棚田みたいになっていて、おじさんは最上段にテントを張った。
昨夜M氏にベストポジションだと言われていた場所がとれた。
この写真の茶色いテントやおじさんと同じコールマンのテントがあるのが、3段目。
その下の炊事棟らしき屋根や、白っぽい三角タープが2段目。
1段目はさらにその下で、ここからは見えない。

炊事棟。工事中だった。

2段目に陣取れば、ここが使いやすい。

トイレ。ぼっとん。さすがに臭う。
電気がないので、夜はランタンかヘッドライト必携。
テントを張ったベストポジションは、実はトイレの真ん前。
ただし、風はテントからトイレ方向に向かって吹くので大丈夫。
風向きが逆になると、かなりつらい。

避難小屋。いざとなったら、逃げ込める。

中はピカピカ。まだ新しいんだろうな。
ゴミは捨てられない。すべて持ち帰る。灰は捨てる場所?があった。
まずはビール。そして、

到着伊那ローメン。ローメンって何? 気になって、どうしても食べたかった。

付属のスープで野菜と一緒に煮て食べる。
ところが、作り方の最後を読んでいなかった。
「ソースをかけてお召し上がりください。」
ソース? 付いてないやん。
スープ付き、ではあるが、ソース付きではなかったのか。やられた。
ソースは持ってないな、仕方ないから醤油をかけた。おいしいのかどうか、わからんかった。
ちなみに2食入りで、1食分は持って帰って家で食べた。ローメン用ソースもあるらしいが、普通のウスターソースをかけた。
ラーメンでもなく、焼きそばでもない。何だこれは? ローメンだ。
言うとくけど、これも不愉快な話ではないぞ。

ソースカツ。
駒ヶ根はソースカツ丼が有名。丼もあったが、カツだけにした。
しかし、一人分としてはかなりボリュームあり。
ローメンとカツでもう腹一杯。
腹ごなしに散歩しよう。
ここから頂上へは2~3分。

この階段の上が、頂上。

中央アルプスの山々が見える。

詳しくはこういう感じ。

こんな景色やら。

こんな景色やら。
ちょっと雲が多くなってきてる。

これは東側。南アルプスを望む。

最上段はこんな感じで、5組張ってた。
奥の避難小屋の手前に見えるのが、おじさんのテント。
左の建物がトイレ。

天から光が降りている。天使様が降臨されるかもしれない。
珍しく写真が多い。実はもっとあるが、あまり変わり映えしない。
時間が経過し、夕闇が迫る。



夕焼け3連発。
車に荷物を取りに行ったときに、京都ナンバーの車があることに気づいていた。
子ども連れで来ている家族のようだ。二台あるから二家族だな。
来て早々、「子どもがうるさくするかもしれなくて、すみません。」とわざわざ挨拶をしてくださった、感じのいい奥さんのところだ。
たまたま駐車場で出会ったので、少し話した。
私も京都だが、京都のどちら?と軽く聞いただけだが、何とおじさんの住む町のお隣。
しかも、おじさんが以前に勤めていた職場からも程近い地域。
あまり書くとおじさんの正体がばれるので詳述できないが、共通の知り合いがいることも判明。
世間は狭いね。
そんな近くの人と、信州の標高1400m以上ある天空のキャンプ場で会話するんだから。
と言っても、サイトも離れていたし、それ以上お付き合いすることはなかった。
隣にテントを張った人は、おじさんと同年代ぐらいのソロの男性。
ほとんどの荷物をバックパックに詰め、山には慣れた感じのベテランキャンパーだとお見受けした。
東京から来られたようだ。
少し会話したが、お互いソロとしての距離感を保って過ごした。
昨日はキャンプ仲間のM氏。一昨日は突然知り合ったケンちゃんとずっと話していた。
明らかにソロキャンプとしての要素は薄かったから、今日はこれでよい。
しかし、なかなか腹が減らない。

道の駅で買った地ビール。
何も食べずに飲んだ。
食べようと用意したものは他にもある。

駒ヶ岳山麓豚。画質を落としているので読めないが、キャラクター名、駒山豚吉(笑)。

ぶなしめじ。長野県はしめじの収穫量、全国1位。エリンギやえのきも1位。
昨日までに買った食材で、残っていたものもある。
結局これらは食べずに持って帰り、翌日の夕食のおかずになった。
満腹で食材が残ったことも不愉快な話ではない。
そろそろ引っ張るのはやめて、そのことを書く。
引っ張るだけ引っ張って、実は愉快な話でオチをつけようとか、そういう企画ではない。
若者グループの存在である。
一段下に若者4人のグループがBBQキャンプをしていた。
風貌はいかにも今風のチャラい感じだったが、キャンプ慣れした人もいるようで、最初は嫌な感じはなかった。
しかし、アルコールも入ってからだろうか、話し声の大きさがどんどん増してきた。。
彼らのいる場所は、いわばこのキャンプ場のど真ん中。
その場所で、嬌声を上げながらしゃべる、しゃべる。
うるさいだけなら、仕方ないと諦める部分もある。
おじさんも、若者たちのグループでキャンプに行くこともあり、確かにはしゃいで迷惑をかけていたかも知れぬ。
おっさんキャンプでも、結構遅くまでデカい声でしゃべっていたこともある。
内容がひどい。とてもここには書けない。
下ネタというか、猥談というか、エロ話というか、途中からはそんな話ばかり。
彼らの隣は先ほどの子ども連れの家族のサイト。
もちろんそんなことは全くお構いなしだろう。
それにしても、あんな話、外でするか。
彼らにとっては、ここが壁のないキャンプ場だという認識は飛んでいるんだろう。
誰かの部屋か、居酒屋の個室ぐらいの感覚になっているのだろうか。
音楽もかけている。離れていても十分聞こえる音量だ。
どうやら4人の中には先輩と後輩がいて、後輩っぽいのが25歳と言っていた。
若者と言っても、もういい大人だ。
キャンプ経験者っぽいやつが、ちょっと気にする素振りでもあればマシだったが。
麓の飯田の町の夜景がきれいだ。

下手くそな写真では伝えられないのが残念だ。
麓で花火大会があれば、打ち上げ花火を上から見ることができるらしい。
星空も美しい。
北に向かって座り、焚き火をしていたのだが、目の前に北斗七星が見える。
空に近い分、普段見るものより大きい。
少し雲が多いのでプラネタリウム状態とまではいかないが、見える部分は「星ってこんなにたくさんあるの?」的な感じ。
こちらは写真で撮る術を知らない。一度きちんと勉強しなくては。
10時を回っても若者たちの騒ぎは収まりを見せない。
聞くに堪えない下品な会話が延々と続く。
おじさんは焚き火をしながら、小さくBGMをかけ、何も食べずに酒を飲んでいた。
酔っぱらってコテンと寝るしかない。
テントに入ってもどうせ聞こえるんだから。
ここは天空のキャンプ場。
同じ目の高さに見える中央アルプスの山々。
眼下には穏やかに広がる麓の町。
近く感じる青空や雲。
その空や雲を赤く染める夕焼け。
日暮れとともに少しずつ鮮明になっていく夜景。
そしてふり仰げば満天の星。
標高も最高だが、ロケーションも最高じゃないか。こんなキャンプ場、他にあるか。
死ぬまでに一度は訪れたいキャンプ場、という紹介記事を読んだことがあるが、わかる。
台無しだ。
いろいろとキャンプも経験してきたから、マナーの悪いやつらと同じ夜を過ごすことも何度かあった。
運が悪かったと思うしかなかった。
今回だってもちろんそうだ。運が悪かったんだ。
でも、ここじゃなくていいじゃないか。今日じゃなくていいじゃないか。
不愉快な話はむしろここからだ。
運が悪かったと諦めてしまったことへの後悔が、さらに自分を不愉快にさせる。
もし注意すればどうなっていたか。
かなり高い確率で、「すみません」ってなことになり、静かにはならなくとも多少は改善されたとは思う。
しかしその時は、たとえ少しの確率でも、例えば逆ギレされて不愉快度が何倍にも増幅することを懸念し、怖じ気づいた。
周りの大人たちも同じ思いはあったのではないか。
あの日あのとき、あの場所にいた人たちは、同じ不愉快な気分を共有していたはずだから。
子どもたちにも絶対に聞かせたくない話。あの家族の大人たちはいかほどの思いであったか。
早々とテントに潜り込んだベテランキャンパーは、何を考え眠りについたか。
もう一つ下のサイトで早い時間から黙々と薪を割り、焚き火を楽しんでいたソロの若者は何を感じていたか。
最も悲惨なのはすぐ隣の茶色テントのソロライダー。先にテントを張っていたが、すぐ隣に若者が入り込んだ。
あの至近距離であの音量の会話。地獄だ。
今回は誰も若者たちに教えることなく終わったのだから、彼らは何も学習しなかった。
おそらくまたどこかで同じことを繰り返すのだろう。
その時は勇気ある大人が上手に彼らを導いてやってほしい。
そんな他力本願の思いが、臆病だった自分の後悔を呼び覚ます。
彼らだけを責められないという思いがどこかにある。
読んでくださっている皆さん。
不愉快な話を聞かせて申し訳ない。
11時を回っても声のトーンは下がらなかった。
若者から「こんなとこに来たんだから、寝るのがもったいない。ずっとしゃべっていたい。」という声も聞こえてきて、絶望的な気分になった。
最後の薪が燃え尽きるのを待って、テントに入った。
声はまだまだ聞こえてきたが、いい感じで酔いが回ってきて、思ったよりはすぐに眠りに落ちた。
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
2018.8.3
おはようございます。

朝の風景。今日もいい天気。
おじさんのテントはまだ日陰。
朝ゆっくり寝たい派のM氏がここをベストポジションだと教えてくれた理由がわかった。
テントは朝露でしっとりと濡れている。
気温はちゃんと見ていなかったが、寝る前に18℃ぐらいまで下がっていたのは知っている。
若者たちはまだ寝ている。順次起きてきたが、さすがにテンションが低く静かだ。
昨夜の不愉快は忘れよう。
朝食。さすがに空腹を感じる。

長野県限定発売の文字に負けて買った。

気圧の関係でパンパン。

こうなった。食べさし。このラーメンの売りの野沢菜を中央に寄せてみた。

食べさしの豆腐。

実は一昨日、岐阜で買っていたもの。岐阜の味としてバローに売っていた。
からし風味はあまりしないなと思って食べ進んでいくと、突然からしの塊を口に入れてしまった。
そういうことか。からし風味の豆腐ではなく、いわばあんパン的に中にからしが詰めてあるのか。
ちょっと泣いちゃった。

猛暑のこの夏、話題になっている甘酒。飲む点滴。
どこでも買えるが、マルコメは長野県に本社を持つ会社。

これは飲んでない。飲んだら帰れない。
木曽の地酒「中乗りさん」。

木曽節。
♪夏でも寒いヨイヨイヨイ♪
陣馬形山の夏はさすがに寒くはなかった。
結局飲まなかったので紹介できなかったが、ようやくできてよかった。
持って帰ったが、実はまだ飲んでいない。冷蔵庫でよく冷えている。

今日も中央アルプスは美しい。

南アルプスも。ちぎれ雲がまたいい。

撤収完了。
もちろん、これで全てではない。何度も車に直接手で運んだ。

荷物運びの難所。見た目以上の角度がある。ガタガタは直るのだろうか。
車に荷物を積み終えて、帰途につく。
帰りはどうしようかと思ったが、結局飯田から高速に乗った。
ずっと高速なので、特筆することはない。
恵那山トンネルが長かったことぐらいか。
そうだ、気になっていたこいつ。

五平餅。どこでも食べられると思っていたが、意外に出会わなかった。
丸っこいのは見たが、五平餅はやっぱりこの形がいい。
「半分、青い」で仙吉さん(中村雅俊)が焼いたのを食べてみたい。
1日目はケンちゃん。2日目はM氏。
とても楽しい語らいだったが、ソロキャンプテイストはきわめて弱かった。
そして、最後は最高のキャンプ地での最低の思い出。
やはり、ちょっと変な旅であった。
異例で、異質で、ちょっと違っていた。
これもまたいい。
みんな違って、みんないい。←ちょっと意味間違ってる。
岐阜と長野制覇。
あと34都府県。まだまだ。
そろそろ西に向かわねば。
不愉快な話をわざわざ書いて、読者のみなさんをも不愉快にさせることには抵抗がある。
しかし、問題提起としても書いておく必要があると考えた。
2018.8.2
開田高原キャンプ場を9時半頃出発し、県道361号線を走る。
山の中の道ではあるが、適度なカーブとアップダウンで心地よい。
またとうもろこし畑や田んぼを、空の青さと山の緑が包み込んでいる風景も美しい。
車のエアコンはつけず、窓を開けて風を感じながら走った。
と言っても、特に何があるわけでもないが。
開田高原は御嶽山のすぐ近くにある。
名古屋場所で初優勝した御嶽海は木曽郡上松町の出身。
あちらこちらで御嶽海を見たぞ。
本人じゃないぞ。
ポスターやら、キャラクター化した絵やら、表紙を飾っている雑誌やら、似顔絵をあしらったせんべいやら。
そりゃそうだなぁ。
長野県初の優勝力士。地元の人たちからしたら、おらが町のヒーローだわな。
そうこうしているうちに、昨日さんざん通った国道19号線に出る。
最初の休憩場所は、道の駅 日義木曽駒高原。
こういう場所。
そして、
こういう場所。
そうか、木曽と言えば忘れてはいけない、木曾義仲。
この辺りが平家討伐のための旗揚げの地だったのか。
ここでも、空の青さと山の緑のコントラストが美しい。
半分、青い。半分、緑。うそ。4分の1、緑。4分の1、アスファルト。
気づけば、国道361号線に入っている。
そして、気づけば伊那の町が広がっている。
こんなふうに書くと、熱中症か何かで頭がボーッとして、無意識に運転していたようだが、もちろんそうではない。言葉の綾というものだ。
昨日、M氏から駒ヶ根で買い物をしたほうがいいとアドバイスをもらっていたので、スーパーをさがす。
ベルシャイン駒ヶ根店を発見。
かなり大きな店だ。
買い物も終え、ガソリンも入れ、後は目的地を目指す。
その前に、いつものように温泉だ。
ナビ子に「四徳温泉」を経由地にセットした。
苦難はそこから始まった。
目指す陣馬形山を攻略するには、ある程度ハードなアクセスを覚悟しなければならない。
事前に見たウェブサイトでも、そういったことはよく見た。
この道でホントにいいのか、と迷いながら行くのが定石だとも。
ナビ子に従い走ると、あっという間に道が狭くなった。
まだ十数㎞先のはずだが、この道でホントにいいのか。
とても離合できそうにない道がずっと続く。
これが覚悟を決めて走るハードなアクセスなのか。
対向車が来ないからいいようなものの、もし出くわしたら泣くで。
一応舗装されているだけマシか。
ドキドキしながら走ると、陣馬形山と四徳温泉の分岐点に出た。
一瞬、温泉は諦めようかとも思ったが、その時点で緊張の汗がドボドボだったので、やっぱり入ることにした。
もう一つ、事前に見た行き方と絶対違うので、この後どんな恐ろしい道が待っているか不安だったこともある。
折草峠というところを下る。
せっかく登ってきたのに、こんなに下っていいのかというほど、下る。
ここも結構な隘路だったが、何とか四徳温泉にたどり着いた。
また写真を忘れたが、ここはキャンプ場を併設している。
なかなかの高規格キャンプ場なのではないだろうか。
受付のお姉さんに日帰り入浴だと伝え、600円払う。
コインロッカーはないので、貴重品は受付に預ける。
今日も貸し切り。
浴槽は大きくないが、ぬるぬるの泉質で運転の緊張がほぐれた。
さて、いよいよだ。
いつも前向きのナビ子は、もう後戻りしない。
戻ったほうが絶対早いと思うが、ここはナビ子に乗った。
今来た折草峠を再び登り、分岐点から未知の道に乗り込んでいくことにためらいがあったからだ。
少々遠回りでも、事前に調べておいたお薦めの道で行きたい。
そう思って、前に進んだ。
地図で見る限り、相当遠回りすることになりそうだ。
しかし、道としてはずいぶん楽。
これなら大丈夫。
今、改めてGoogleマップで確認すると、四徳温泉から後戻りすると、8.6㎞で40分。
前向きに進み、中川村役場や風三郎神社を通るノーマルアクセスが、24.8㎞で1時間。
えっ?
3分の1強の距離なのに、差は20分?
やっぱりやばいんや。よかった、戻らんで。
小渋湖の辺りは工事車両がガンガン走って怖かったが、全然平気。
確かに、陣馬形山への登り口辺りからは、道も狭くなり、くねくねの連続になった。
それでも、先ほど温泉に行く前に走った道と比べたらずっとマシだ。
前に2台走ってくれていたのもありがたかった。
そして小一時間走り、ようやく到着。
あ、言うとくけど、この苦難の道のりが冒頭で述べた不愉快な話ではないぞ。
これからだぞ。
陣馬形山キャンプスペース(陣馬形山キャンプ場)
ドーン!
あれ?伝わりにくいか。
天空のキャンプ場と言われる、標高1400mを超える場所。
ここが何と、無料。
車横付け、できない。
駐車場が見えるが、これくらいの距離で、荷物を運ぶ必要がある。
ここは4段の棚田みたいになっていて、おじさんは最上段にテントを張った。
昨夜M氏にベストポジションだと言われていた場所がとれた。
この写真の茶色いテントやおじさんと同じコールマンのテントがあるのが、3段目。
その下の炊事棟らしき屋根や、白っぽい三角タープが2段目。
1段目はさらにその下で、ここからは見えない。

炊事棟。工事中だった。

2段目に陣取れば、ここが使いやすい。
トイレ。ぼっとん。さすがに臭う。
電気がないので、夜はランタンかヘッドライト必携。
テントを張ったベストポジションは、実はトイレの真ん前。
ただし、風はテントからトイレ方向に向かって吹くので大丈夫。
風向きが逆になると、かなりつらい。
避難小屋。いざとなったら、逃げ込める。

中はピカピカ。まだ新しいんだろうな。
ゴミは捨てられない。すべて持ち帰る。灰は捨てる場所?があった。
まずはビール。そして、
到着伊那ローメン。ローメンって何? 気になって、どうしても食べたかった。
付属のスープで野菜と一緒に煮て食べる。
ところが、作り方の最後を読んでいなかった。
「ソースをかけてお召し上がりください。」
ソース? 付いてないやん。
スープ付き、ではあるが、ソース付きではなかったのか。やられた。
ソースは持ってないな、仕方ないから醤油をかけた。おいしいのかどうか、わからんかった。
ちなみに2食入りで、1食分は持って帰って家で食べた。ローメン用ソースもあるらしいが、普通のウスターソースをかけた。
ラーメンでもなく、焼きそばでもない。何だこれは? ローメンだ。
言うとくけど、これも不愉快な話ではないぞ。
ソースカツ。
駒ヶ根はソースカツ丼が有名。丼もあったが、カツだけにした。
しかし、一人分としてはかなりボリュームあり。
ローメンとカツでもう腹一杯。
腹ごなしに散歩しよう。
ここから頂上へは2~3分。
この階段の上が、頂上。
中央アルプスの山々が見える。
詳しくはこういう感じ。
こんな景色やら。
こんな景色やら。
ちょっと雲が多くなってきてる。
これは東側。南アルプスを望む。
最上段はこんな感じで、5組張ってた。
奥の避難小屋の手前に見えるのが、おじさんのテント。
左の建物がトイレ。
天から光が降りている。天使様が降臨されるかもしれない。
珍しく写真が多い。実はもっとあるが、あまり変わり映えしない。
時間が経過し、夕闇が迫る。
夕焼け3連発。
車に荷物を取りに行ったときに、京都ナンバーの車があることに気づいていた。
子ども連れで来ている家族のようだ。二台あるから二家族だな。
来て早々、「子どもがうるさくするかもしれなくて、すみません。」とわざわざ挨拶をしてくださった、感じのいい奥さんのところだ。
たまたま駐車場で出会ったので、少し話した。
私も京都だが、京都のどちら?と軽く聞いただけだが、何とおじさんの住む町のお隣。
しかも、おじさんが以前に勤めていた職場からも程近い地域。
あまり書くとおじさんの正体がばれるので詳述できないが、共通の知り合いがいることも判明。
世間は狭いね。
そんな近くの人と、信州の標高1400m以上ある天空のキャンプ場で会話するんだから。
と言っても、サイトも離れていたし、それ以上お付き合いすることはなかった。
隣にテントを張った人は、おじさんと同年代ぐらいのソロの男性。
ほとんどの荷物をバックパックに詰め、山には慣れた感じのベテランキャンパーだとお見受けした。
東京から来られたようだ。
少し会話したが、お互いソロとしての距離感を保って過ごした。
昨日はキャンプ仲間のM氏。一昨日は突然知り合ったケンちゃんとずっと話していた。
明らかにソロキャンプとしての要素は薄かったから、今日はこれでよい。
しかし、なかなか腹が減らない。
道の駅で買った地ビール。
何も食べずに飲んだ。
食べようと用意したものは他にもある。
駒ヶ岳山麓豚。画質を落としているので読めないが、キャラクター名、駒山豚吉(笑)。
ぶなしめじ。長野県はしめじの収穫量、全国1位。エリンギやえのきも1位。
昨日までに買った食材で、残っていたものもある。
結局これらは食べずに持って帰り、翌日の夕食のおかずになった。
満腹で食材が残ったことも不愉快な話ではない。
そろそろ引っ張るのはやめて、そのことを書く。
引っ張るだけ引っ張って、実は愉快な話でオチをつけようとか、そういう企画ではない。
若者グループの存在である。
一段下に若者4人のグループがBBQキャンプをしていた。
風貌はいかにも今風のチャラい感じだったが、キャンプ慣れした人もいるようで、最初は嫌な感じはなかった。
しかし、アルコールも入ってからだろうか、話し声の大きさがどんどん増してきた。。
彼らのいる場所は、いわばこのキャンプ場のど真ん中。
その場所で、嬌声を上げながらしゃべる、しゃべる。
うるさいだけなら、仕方ないと諦める部分もある。
おじさんも、若者たちのグループでキャンプに行くこともあり、確かにはしゃいで迷惑をかけていたかも知れぬ。
おっさんキャンプでも、結構遅くまでデカい声でしゃべっていたこともある。
内容がひどい。とてもここには書けない。
下ネタというか、猥談というか、エロ話というか、途中からはそんな話ばかり。
彼らの隣は先ほどの子ども連れの家族のサイト。
もちろんそんなことは全くお構いなしだろう。
それにしても、あんな話、外でするか。
彼らにとっては、ここが壁のないキャンプ場だという認識は飛んでいるんだろう。
誰かの部屋か、居酒屋の個室ぐらいの感覚になっているのだろうか。
音楽もかけている。離れていても十分聞こえる音量だ。
どうやら4人の中には先輩と後輩がいて、後輩っぽいのが25歳と言っていた。
若者と言っても、もういい大人だ。
キャンプ経験者っぽいやつが、ちょっと気にする素振りでもあればマシだったが。
麓の飯田の町の夜景がきれいだ。
下手くそな写真では伝えられないのが残念だ。
麓で花火大会があれば、打ち上げ花火を上から見ることができるらしい。
星空も美しい。
北に向かって座り、焚き火をしていたのだが、目の前に北斗七星が見える。
空に近い分、普段見るものより大きい。
少し雲が多いのでプラネタリウム状態とまではいかないが、見える部分は「星ってこんなにたくさんあるの?」的な感じ。
こちらは写真で撮る術を知らない。一度きちんと勉強しなくては。
10時を回っても若者たちの騒ぎは収まりを見せない。
聞くに堪えない下品な会話が延々と続く。
おじさんは焚き火をしながら、小さくBGMをかけ、何も食べずに酒を飲んでいた。
酔っぱらってコテンと寝るしかない。
テントに入ってもどうせ聞こえるんだから。
ここは天空のキャンプ場。
同じ目の高さに見える中央アルプスの山々。
眼下には穏やかに広がる麓の町。
近く感じる青空や雲。
その空や雲を赤く染める夕焼け。
日暮れとともに少しずつ鮮明になっていく夜景。
そしてふり仰げば満天の星。
標高も最高だが、ロケーションも最高じゃないか。こんなキャンプ場、他にあるか。
死ぬまでに一度は訪れたいキャンプ場、という紹介記事を読んだことがあるが、わかる。
台無しだ。
いろいろとキャンプも経験してきたから、マナーの悪いやつらと同じ夜を過ごすことも何度かあった。
運が悪かったと思うしかなかった。
今回だってもちろんそうだ。運が悪かったんだ。
でも、ここじゃなくていいじゃないか。今日じゃなくていいじゃないか。
不愉快な話はむしろここからだ。
運が悪かったと諦めてしまったことへの後悔が、さらに自分を不愉快にさせる。
もし注意すればどうなっていたか。
かなり高い確率で、「すみません」ってなことになり、静かにはならなくとも多少は改善されたとは思う。
しかしその時は、たとえ少しの確率でも、例えば逆ギレされて不愉快度が何倍にも増幅することを懸念し、怖じ気づいた。
周りの大人たちも同じ思いはあったのではないか。
あの日あのとき、あの場所にいた人たちは、同じ不愉快な気分を共有していたはずだから。
子どもたちにも絶対に聞かせたくない話。あの家族の大人たちはいかほどの思いであったか。
早々とテントに潜り込んだベテランキャンパーは、何を考え眠りについたか。
もう一つ下のサイトで早い時間から黙々と薪を割り、焚き火を楽しんでいたソロの若者は何を感じていたか。
最も悲惨なのはすぐ隣の茶色テントのソロライダー。先にテントを張っていたが、すぐ隣に若者が入り込んだ。
あの至近距離であの音量の会話。地獄だ。
今回は誰も若者たちに教えることなく終わったのだから、彼らは何も学習しなかった。
おそらくまたどこかで同じことを繰り返すのだろう。
その時は勇気ある大人が上手に彼らを導いてやってほしい。
そんな他力本願の思いが、臆病だった自分の後悔を呼び覚ます。
彼らだけを責められないという思いがどこかにある。
読んでくださっている皆さん。
不愉快な話を聞かせて申し訳ない。
11時を回っても声のトーンは下がらなかった。
若者から「こんなとこに来たんだから、寝るのがもったいない。ずっとしゃべっていたい。」という声も聞こえてきて、絶望的な気分になった。
最後の薪が燃え尽きるのを待って、テントに入った。
声はまだまだ聞こえてきたが、いい感じで酔いが回ってきて、思ったよりはすぐに眠りに落ちた。
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
2018.8.3
おはようございます。
朝の風景。今日もいい天気。
おじさんのテントはまだ日陰。
朝ゆっくり寝たい派のM氏がここをベストポジションだと教えてくれた理由がわかった。
テントは朝露でしっとりと濡れている。
気温はちゃんと見ていなかったが、寝る前に18℃ぐらいまで下がっていたのは知っている。
若者たちはまだ寝ている。順次起きてきたが、さすがにテンションが低く静かだ。
昨夜の不愉快は忘れよう。
朝食。さすがに空腹を感じる。
長野県限定発売の文字に負けて買った。
気圧の関係でパンパン。
こうなった。食べさし。このラーメンの売りの野沢菜を中央に寄せてみた。
食べさしの豆腐。
実は一昨日、岐阜で買っていたもの。岐阜の味としてバローに売っていた。
からし風味はあまりしないなと思って食べ進んでいくと、突然からしの塊を口に入れてしまった。
そういうことか。からし風味の豆腐ではなく、いわばあんパン的に中にからしが詰めてあるのか。
ちょっと泣いちゃった。
猛暑のこの夏、話題になっている甘酒。飲む点滴。
どこでも買えるが、マルコメは長野県に本社を持つ会社。
これは飲んでない。飲んだら帰れない。
木曽の地酒「中乗りさん」。
木曽節。
♪夏でも寒いヨイヨイヨイ♪
陣馬形山の夏はさすがに寒くはなかった。
結局飲まなかったので紹介できなかったが、ようやくできてよかった。
持って帰ったが、実はまだ飲んでいない。冷蔵庫でよく冷えている。
今日も中央アルプスは美しい。
南アルプスも。ちぎれ雲がまたいい。
撤収完了。
もちろん、これで全てではない。何度も車に直接手で運んだ。
荷物運びの難所。見た目以上の角度がある。ガタガタは直るのだろうか。
車に荷物を積み終えて、帰途につく。
帰りはどうしようかと思ったが、結局飯田から高速に乗った。
ずっと高速なので、特筆することはない。
恵那山トンネルが長かったことぐらいか。
そうだ、気になっていたこいつ。

五平餅。どこでも食べられると思っていたが、意外に出会わなかった。
丸っこいのは見たが、五平餅はやっぱりこの形がいい。
「半分、青い」で仙吉さん(中村雅俊)が焼いたのを食べてみたい。
1日目はケンちゃん。2日目はM氏。
とても楽しい語らいだったが、ソロキャンプテイストはきわめて弱かった。
そして、最後は最高のキャンプ地での最低の思い出。
やはり、ちょっと変な旅であった。
異例で、異質で、ちょっと違っていた。
これもまたいい。
みんな違って、みんないい。←ちょっと意味間違ってる。
岐阜と長野制覇。
あと34都府県。まだまだ。
そろそろ西に向かわねば。
秋まだ浅い信濃路へ③~雨!圏外!完ソロ!そしてあの張り紙!わくわくキャンプの条件揃った~
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この記事へのコメント
こんにちは、おじさん
ワタシも何度か、うるさい若者を注意しにいこうか迷ったことがあります
おじさんのお気持ち、良くわかります
誰かがマナーを教えて諭さなくてはいけない
キャンプ管理人なのか、すぐそばのキャンパーなのか、いや距離は関係ないかもしれませんね、難しいけど。
かけがえのない時間、空間という間を大切にしたいですね
陣馬形山、すばらしいですね、ありがとうございます
ご安全に
ワタシも何度か、うるさい若者を注意しにいこうか迷ったことがあります
おじさんのお気持ち、良くわかります
誰かがマナーを教えて諭さなくてはいけない
キャンプ管理人なのか、すぐそばのキャンパーなのか、いや距離は関係ないかもしれませんね、難しいけど。
かけがえのない時間、空間という間を大切にしたいですね
陣馬形山、すばらしいですね、ありがとうございます
ご安全に
fielderさん
毎回読んでくださり、またコメントも送っていただいて、感謝しています。
今回は重い内容になってしまいました。難しい問題です。私みたいな小心者にとっては特に。
いつかまた陣馬形山には行ってみたいと思います。
毎回読んでくださり、またコメントも送っていただいて、感謝しています。
今回は重い内容になってしまいました。難しい問題です。私みたいな小心者にとっては特に。
いつかまた陣馬形山には行ってみたいと思います。