秋の九州旅④~土砂降りの福岡の楽園に綾瀬はるか出現?
第4日目 2019.10.18
今日は移動距離が短い。100kmどころか、70kmそこそこになるだろう。
余裕がありすぎてキャンプ場を10時前に出発。10分ほどで最初の経由地。

「道の駅おおとう桜街道」に併設されている天然温泉「さくら館」。
600円で、いろんな風呂が楽しめる。
開館すぐにもかかわらず、結構入りに来ている。
ここの売りは温泉併設だけではない。

こんな張り紙があったので行かずにはいられない。

だれもいないので撮っちゃった。
確かに道の駅とは思えない美しいトイレ。でも、ここに1億円かけちゃったか。
他にも豪華な装飾品やら、自動演奏のクリスタルピアノやら、金かけてるわぁという造り。
さらに気になったのが、

あちこちに張られていたポスター。「おおとう桜街道」をアピールする新曲ができたようだ。
歌うのは鳥羽一郎、作曲が宇崎竜童というから、大物揃い。金かけてるわぁ。
でも気になったのは、カップリング曲の「彦山川ジミー」。
地図を見ると確かに大任町には彦山川が流れているが、ジミーは誰?
この曲、聞いてみたくなった。

すぐ隣にはかなり広いコスモス畑。季節柄きれいに咲いていた。
ここから先は主に国道322号線を走る。途中から県道になるが、走りやすい道路だ。
ここのところ、クネクネ山道に苦しめられてきたので、今日は楽ちん。
次の経由地は近いが、その前に昼食。

福岡でうどんを食べてみようと、「小麦冶(こむぎや)」へ。
「ウエスト」とか「牧のうどん」とか「資さんうどん」とか有名なうどん屋が多いらしい。
この店がどうなのかは知らないが、昼時でもあり、結構繁盛していた。

ごぼう天うどん(大)と手包みいなり(2個)。しめて517円。
メニューを見ても全体的に安い。
福岡のうどんはコシがなくてフニャフニャだと聞いていたが、思ったほどではなかった。
それなりにもっちり感があるし、ごぼう天もだしもおいしい。
香川県出身のはむおじさんのうどん好きは有名で(どこで?)、讃岐うどんがやっぱり一番と思っている。
思ってはいるが、他のうどんにも寛容だ。うどん自体が好きなので、こうじゃなきゃだめだみたいなものはない。
せっかくなら「かろのうろん」の箸で持ち上げるだけで切れそうという噂のフニャフニャうどんを食べてみたかった。
そしてその4分後、次の経由地にやってきた。

九州国立博物館。

特別展「三国志」を見に来たのだった。
はむおじさんの三国志好きはあまりにも有名だが(だからどこで?)、キャンプ旅の途中で博物館に寄るとは異例中の異例だ。
この特別展「三国志」は7月から9月に東京、そして10月から来年1月まで福岡の二ヶ所でしか開催されない。
その7月、私は東京に行った。その気になれば東京で見るチャンスはあった。でも、逃した。
その逃したチャンスが10月の福岡に再び巡ってくる。もう逃さない。
江戸の仇を福岡で。別に仇じゃないけど。

今回のポスターにもなっている、関羽像。

張飛と関羽。張飛が関羽に謝ってるのかな。

趙雲像。劉備の子阿斗を抱きかかえて敵陣を突破する名場面。
これらは後世に作られたものだが、展示品の多くは西暦2~3世紀に作られた出土品。

儀仗俑。お偉いさんを守る騎馬隊。

五層穀倉楼。そんな時代に五階建ての倉庫があったということだ。

弩。弓を強力にした武器。

三国志ファンなら誰でも知っている、赤壁の戦いのあの場面。映画「レッドクリフ」で見た人もいるだろうか。
あ、三国志に興味ない人、遠慮せずにスクロール↓

張飛も使っていた蛇矛の先。張飛のとは違うタイプか。

舞踏俑。劉備の国、蜀の人々をかたどったものは温和な顔つきのものが多いという。平和だった証か。

NHK「人形劇三国志」より、曹操。

同じく、劉備。

孫権。三英傑の揃い踏み。

諸葛亮孔明。
もっと撮ったけど、こんなものにしておこう。きりがない。

自分へのお土産。関羽像のトートバッグと青龍偃月刀のボールペン。
欲しいものだらけだったけど、これもきりがないので諦めた。
はむおじさんは、吉川英治の小説から入り、コーエーのシミュレーションゲーム「三國志」シリーズを1から13までクリアし、横山光輝の漫画を何度も繰り返して読み、アニメ三国志やNHKの人形劇などの映像、映画「レッドクリフ」なども楽しんできた。もうずいぶん前のことだが、三国志に関する本や雑誌も買い漁った時期もある。
今回の特別展「三国志」はそういった横山光輝の原画や人形劇の人形なども展示しているところがいい。コーエーのキャラクターの絵も随所に登場している。さらにすごいのが、全館撮影OKという寛大さ。

1600円の値打ちはあったな。
そのまま家に帰るんなら、もっとじっくり見たけどな。
先を急ぐ。この近くにもう一ヶ所行きたい場所がある。

太宰府天満宮。高校時代の修学旅行以来だ。
高校2年の秋、当時仲が良かったFとIさんという二人の友だちと行動していた。なぜかFは呼び捨て、Iさんは「さん」付け。
3人とも歌が好きで、よくギターを持ち寄って歌ったり、Fが作った詩に曲をつけたりして遊んでいた。
その頃、さだまさしが流行っていて、アルバム「風見鶏」の中に「飛梅」という歌があった。

♪心字池にかかる三つの赤い橋は 一つ目が過去で二つ目が今

♪三つ目の橋で君が転びそうになったとき~
確か、この時Fが転び役になって一人で転けてた気がする。
♪手を合わせた後で君は神籤を引いて 大吉が出るまでと何度も引き直したね
これも確か、三人で誰かが大吉が出るまで引こうと決めたら、Fが一発で引き当てた気がする。
もう40年も前の話だ。記憶違いでも許されるだろう。

これが、飛梅。


東風(こち)吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ
無実の罪で太宰府に左遷された菅原道真が京の屋敷の梅に向かって惜別の思いで詠んだ歌。
梅は道真を追って、京都から太宰府までの500kmの距離を一晩で飛んできたという伝説がある。
♪あなたがもしも遠くに行ってしまったら~ 私も一夜で飛んでいくと行った~ 忘れたのかい 飛梅

♪裏庭を抜けて お石の茶屋へ寄って

♪君がひとつ 僕が半分 梅ヶ枝餅を食べた~
高校時代もこの「お石の茶屋」を探して寄った。結構奥深いところにあったんだな。
お店の女性に、40年以上前の高校の修学旅行でこの店に来たのだと言うと、たいそう喜んでくれた。
「君がひとつ 僕が半分」という食べ方はいかがなものか。残りの半分は残したのか。持って帰ったのか。どうでもええけど。

「さださんのサインもありますよ。」というので、写真を撮らせてもらった。新しいな。
40年以上の時を隔てて、頭と心を高校時代にタイムスリップさせ、太宰府天満宮のお参りを追体験してみた。
心身共に衰えばかりを思い知らされる今日この頃だが、こういう記憶って結構鮮明に残っているものだな。
歩いているうちに、お石の茶屋への道の感じとか思いだしたからな。
あの時も秋。そして今も秋。
梅の季節に一度来てみたいものだ。
♪太宰府は秋~ いずれにしても秋~ (原詩は春)
さあ、後はスーパーに寄って目的地に行くだけ。
距離はたいしたことないけど、最後の5km、えらい山道になってきたぞ。
そんなに狭くはないけどカーブがきつい。しかも傾斜もきつい。
着いた。
本日の走行距離、70.8km。短っ!
なのに、もう5時前。遅っ!
三国志と太宰府で2時間半ぐらい費やしたからね。出発も10時だったし。
若杉楽園キャンプ場
無料キャンプ場だったが、今年の4月から有料になっちゃった。
違うところにしようかと悩んだが、コースと距離でいうとベストだと思ったから来た。
曹操、いや、そうそう、全然書いてなかったけど雨が降っております。
太宰府辺りまでは天気は悪いけど降ってないなという感じだった。その後だんだん普通に降ってきた。
山道を走りながら、雨、平日、山の中とくれば完ソロもあり得るなと考えていた。
ゲートを通ると駐車場らしき広場。誰もいない。
東屋があるから、このへんでもいいのかな。
道がある。奥に進む。
あ、人。車。いるじゃん。
このへんからもうかなり強く降ってきた。
さあ、どうしよう。奥に行くと広場があるけどな。
炊事場のかまどの間にスッポリとはまった状態で座っているダンディな男性を発見。
はむおじさん「これ、テントはどこに張ってもいいんですかね。」
ダンディ「車の通り道とかじゃなかったらいいよ。」
ダンディの車の横が空いていたので、そこに張ることにした。炊事場から近い。
久しぶりにレインウェアを着ての作業になったが、もう一気に張るしかない。どうせフライシートは乾いてないし。
タープを張っても濡れものが増えるだけなのでやめた。
ダンディと同じように炊事棟のかまどの間にはまることにした。端っこだからはまってないけど。

こんな感じ。雨の中、車までの十数メートルを何往復かしたが、やっと落ち着いた。
とりあえずビールだ。

鶏かわ。食べ出してから思い出して写真写すな。
ダンディは渋く口ひげやあごひげを生やしている。そうだ、髭男dismなのだ。勝手に命名したのでOfficialではないのだ。
微妙な距離感を保って同じ方向を向いた状態で、ポツポツと話をした。
車中泊をしながらいろいろなところに行き、鳥の写真を撮ることを趣味としているそうだ。
翌朝、ごっつい望遠レンズをつけたカメラを見せてくれた。

壁までつけて住んでいるのかと思うような人がいて、炊事場の辺りに話をしに来た。
住んでいるわけではないが、毎週来ていて同じ場所をキープしているそうな。もう主(ぬし)だね。
でも、この主が炊事場やかまどをボランティアで掃除してくれているそうじゃ。まだ言うてる。
今日もちょうど掃除してくれた後だったので特にきれいだったようだ。
キャンプ場によっては近づきたくないようなかまどもあるからね。
主は仲間がたくさんいるようで、しばらくすると一人の女性が車でやって来た。
他の男性と一緒に主のタープというか、家の中で過ごしていた。
ダンディは主ともこの女性とも知り合いのようだ。

博多の白濁した水炊きを作りたかったが、スープが大きいのしかなかった。
骨付きの鶏をコトコト煮込んでいる時間もないし。
雰囲気を出すため、鶏白湯スープを使ったが、明らかに別物になった。

〆には岡山で買ったうどんを入れた。
主に食べたのはこれだけだ。
後は残り物や乾き物をつまんでいたのか、写真を撮り忘れたのか。

この山の上からは福岡市街の夜景がきれいに見える。
そのきれいさをカメラで表現できないのは、いつものことながら痛恨の極みと言ってよい。
土砂降りといってもいいぐらいの雨の中、飲みながら何とはなしにダンディと語り合っていたわけだ。
そこへ。
「この辺に、薪ありませんでしたか?」
若い女だ。若いといっても18や20ぐらいを想像するとイメージが変わっていくから注意。
ダンディ「薪って・・・、そんなもんないぞ。」
女「この前来たときはたくさんあったのに。」
ダ「この前がいつか知らんけど、そんなもん誰かが燃やしとるわ。」
女「あ~ん、焚き火したかったのに~
」
何だ、これは。
この時点ではてっきりダンディの知り合いだと思った。それぐらい自然な会話だった。
だが、初対面だという。
この女、綾瀬はるかに似ている。似ているというか、そんな雰囲気がある。
後ろに男がいる。綾瀬はるかによると、興福寺の仏像にそっくりだという。阿修羅像?どの顔?
まあ、一般的な仏像の穏やかな雰囲気は持ってるかも知れない。
この二人はカップルで、仕事終わりにどうしても焚き火がしたい綾瀬はるかにせがまれて仏像くんもやってきたらしい。
どうやら綾瀬はるかが主導権を握っている。テントやその他のアイテムも綾瀬はるかのものらしい。
雨もきついし、キャンプ場まで行ってから諦めて帰ろうと思っていた仏像くんはやる気の感じられないジャージ姿だ。
ダンディが知り合いに薪をもらってきた。しかもナイフでバトニングして割ってあげている。
はむおじさんも山口の道の駅で買った安い薪を提供した。
仏像くんは遠慮していたが、あげることになった。
綾「着火剤、忘れた。」 焚き火する気あったん? 着火剤はなくてもできるけど。これも私が提供した。
焚き火ができると喜んだ綾瀬はるかは仏像くんを連れてテントを設営しに行った。
その間に、先ほどから主の家にいた女性がやって来た。ダンディと家が近いというこの女性、Mユミさんという。
女性に年齢を聞くような勇気はないが、おじさんより若く、綾瀬はるかよりは上だと言っておこう。
Mユミさんはとても聞き上手でツッコミ上手。
この後の会話をうまく回していたのは、実質Mユミさんだった気がする。
綾「お米、忘れた。」 何しに来たんや。 ダンディが困った顔して、「これやるわ」と小さい米袋をあげた。
きっとこの後「おかず、忘れた。」って来るんとちゃうか。
そんな話をしていたが、100均のグリーンカレーをちゃんと持ってきていた。
ちなみに探したらお米もあったということで、返しに来ていた。
お米を全く浸水せずにいきなりメスティンで炊くという暴挙に出た綾瀬はるか。
当然の報いで、ちょっと芯が残ったご飯が炊きあがった。

完成したグリーンカレー。仏像くんのを一口もらった。味は悪くない。
これだけでは足りないだろうと、Mユミさんがソーセージを大量に持ってきた。
はむおじさんは、これも山口県で買ったこどもピーマンを提供した。

「こども」「ピー太郎」とわざわざ手書きで書き足しているのがかわいい。
炭火ではなく、焚き火で焼くからスス臭いのは我慢。でもソーセージもピー太郎もおいしかった。
この時、ソーセージに関してダンディが下ネタを言ったがそれは無視しよう。
酔いが回ってきたダンディはだんだん呂律が回らなくなり、下ネタを連発し、ただのヒゲオヤジになっていき、そのまま眠りに落ちてしまった。
はむおじさんも日本酒を飲み出してから、酔ってるなと自覚していた。

日本酒は、福岡の地酒「如水」。
福岡県は九州だけど焼酎文化ではないらしい。
後はMユミさん、綾瀬はるか、仏像くんと4人で楽しくおしゃべりをしていた。
あれ?もう一人メガネの男性がいたぞ。いつからいつまでいたんだろう、メガネさん。
実は二人の名前も聞いていて、綾瀬はるかはSちゃん、仏像くんはMくん。
SちゃんとMくん。そのままやん、って言うたら怒られるな。
確かに主導権はいつもSちゃんが持っているように見えるけど、Mくんの優しさがあってこそかな。
Mくんは聞く話ではホントにSちゃんのためにいろいろ尽くしている。いいカップルだと思う。
酔っ払いに言われても、と思うかも知れないけど。
雨の中の完ソロを覚悟していたのに、実に楽しい夜になった。
やっぱりここは楽園だったんだな。

遠目から写してみた一枚。あ、これにはメガネさん、写ってるな。
1時を回って、解散となった。
その時点でダンディ(実はHさん)は座ったまま寝ていたので、一応声をかけてからテントに入った。
いつの間にか雨も止み、寒くもなくていい感じになった。
おやすみなさい。
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
2019.10.19
おはようございます。
寝たのが遅かったくせに、5時過ぎに目覚めた。また雨だ。かなり降ってる。絶望的だ。
6時半ぐらいまでウダウダと寝ていた。
もう皆さん起きてる。
SちゃんやMくんもさっさと撤収を始めている。

コッペリアは筑紫野市にあるパン屋さん。高校の売店などで人気があるらしい。
少し散歩してみた。

奥の方は開けた広場。普段はこっちがメインなのかな。

時間制だが、要するにデイが500円、泊まると1000円ってことか。
夜10時に来て朝7時前に出れば、泊まりでも500円だな。せわしないけど。
これは車1台にかかる金額。帰りにゲートを出るときに払う。人数やテントの数は関係ない。

昨夜、夜景を見ていた風景。

我が家に帰ってきた気分。
人がたくさんいるときは炊事棟の独占なんて許されないけどね。
洗い場はこの横にあって、そっちは独占してないからね。

SちゃんとMくん。太陽を綾瀬はるか、土星を仏像のイメージに置き換えてください。
二人は先に帰っていった。
Mくん、Sちゃんにプロポーズしたのかな。
ダンディやMユミさんにもちゃんとお別れの挨拶をして、出発。
ソロキャンプでこんなににぎやかだった夜は初めてだった。
今日は土曜日。佐賀に行く。
今日は移動距離が短い。100kmどころか、70kmそこそこになるだろう。
余裕がありすぎてキャンプ場を10時前に出発。10分ほどで最初の経由地。

「道の駅おおとう桜街道」に併設されている天然温泉「さくら館」。
600円で、いろんな風呂が楽しめる。
開館すぐにもかかわらず、結構入りに来ている。
ここの売りは温泉併設だけではない。

こんな張り紙があったので行かずにはいられない。

だれもいないので撮っちゃった。
確かに道の駅とは思えない美しいトイレ。でも、ここに1億円かけちゃったか。
他にも豪華な装飾品やら、自動演奏のクリスタルピアノやら、金かけてるわぁという造り。
さらに気になったのが、

あちこちに張られていたポスター。「おおとう桜街道」をアピールする新曲ができたようだ。
歌うのは鳥羽一郎、作曲が宇崎竜童というから、大物揃い。金かけてるわぁ。
でも気になったのは、カップリング曲の「彦山川ジミー」。
地図を見ると確かに大任町には彦山川が流れているが、ジミーは誰?
この曲、聞いてみたくなった。
すぐ隣にはかなり広いコスモス畑。季節柄きれいに咲いていた。
ここから先は主に国道322号線を走る。途中から県道になるが、走りやすい道路だ。
ここのところ、クネクネ山道に苦しめられてきたので、今日は楽ちん。
次の経由地は近いが、その前に昼食。
福岡でうどんを食べてみようと、「小麦冶(こむぎや)」へ。
「ウエスト」とか「牧のうどん」とか「資さんうどん」とか有名なうどん屋が多いらしい。
この店がどうなのかは知らないが、昼時でもあり、結構繁盛していた。
ごぼう天うどん(大)と手包みいなり(2個)。しめて517円。
メニューを見ても全体的に安い。
福岡のうどんはコシがなくてフニャフニャだと聞いていたが、思ったほどではなかった。
それなりにもっちり感があるし、ごぼう天もだしもおいしい。
香川県出身のはむおじさんのうどん好きは有名で(どこで?)、讃岐うどんがやっぱり一番と思っている。
思ってはいるが、他のうどんにも寛容だ。うどん自体が好きなので、こうじゃなきゃだめだみたいなものはない。
せっかくなら「かろのうろん」の箸で持ち上げるだけで切れそうという噂のフニャフニャうどんを食べてみたかった。
そしてその4分後、次の経由地にやってきた。
九州国立博物館。
特別展「三国志」を見に来たのだった。
はむおじさんの三国志好きはあまりにも有名だが(だからどこで?)、キャンプ旅の途中で博物館に寄るとは異例中の異例だ。
この特別展「三国志」は7月から9月に東京、そして10月から来年1月まで福岡の二ヶ所でしか開催されない。
その7月、私は東京に行った。その気になれば東京で見るチャンスはあった。でも、逃した。
その逃したチャンスが10月の福岡に再び巡ってくる。もう逃さない。
江戸の仇を福岡で。別に仇じゃないけど。
今回のポスターにもなっている、関羽像。
張飛と関羽。張飛が関羽に謝ってるのかな。
趙雲像。劉備の子阿斗を抱きかかえて敵陣を突破する名場面。
これらは後世に作られたものだが、展示品の多くは西暦2~3世紀に作られた出土品。
儀仗俑。お偉いさんを守る騎馬隊。
五層穀倉楼。そんな時代に五階建ての倉庫があったということだ。
弩。弓を強力にした武器。
三国志ファンなら誰でも知っている、赤壁の戦いのあの場面。映画「レッドクリフ」で見た人もいるだろうか。
あ、三国志に興味ない人、遠慮せずにスクロール↓
張飛も使っていた蛇矛の先。張飛のとは違うタイプか。
舞踏俑。劉備の国、蜀の人々をかたどったものは温和な顔つきのものが多いという。平和だった証か。
NHK「人形劇三国志」より、曹操。
同じく、劉備。
孫権。三英傑の揃い踏み。
諸葛亮孔明。
もっと撮ったけど、こんなものにしておこう。きりがない。

自分へのお土産。関羽像のトートバッグと青龍偃月刀のボールペン。
欲しいものだらけだったけど、これもきりがないので諦めた。
はむおじさんは、吉川英治の小説から入り、コーエーのシミュレーションゲーム「三國志」シリーズを1から13までクリアし、横山光輝の漫画を何度も繰り返して読み、アニメ三国志やNHKの人形劇などの映像、映画「レッドクリフ」なども楽しんできた。もうずいぶん前のことだが、三国志に関する本や雑誌も買い漁った時期もある。
今回の特別展「三国志」はそういった横山光輝の原画や人形劇の人形なども展示しているところがいい。コーエーのキャラクターの絵も随所に登場している。さらにすごいのが、全館撮影OKという寛大さ。
1600円の値打ちはあったな。
そのまま家に帰るんなら、もっとじっくり見たけどな。
先を急ぐ。この近くにもう一ヶ所行きたい場所がある。
太宰府天満宮。高校時代の修学旅行以来だ。
高校2年の秋、当時仲が良かったFとIさんという二人の友だちと行動していた。なぜかFは呼び捨て、Iさんは「さん」付け。
3人とも歌が好きで、よくギターを持ち寄って歌ったり、Fが作った詩に曲をつけたりして遊んでいた。
その頃、さだまさしが流行っていて、アルバム「風見鶏」の中に「飛梅」という歌があった。
♪心字池にかかる三つの赤い橋は 一つ目が過去で二つ目が今
♪三つ目の橋で君が転びそうになったとき~
確か、この時Fが転び役になって一人で転けてた気がする。
♪手を合わせた後で君は神籤を引いて 大吉が出るまでと何度も引き直したね
これも確か、三人で誰かが大吉が出るまで引こうと決めたら、Fが一発で引き当てた気がする。
もう40年も前の話だ。記憶違いでも許されるだろう。
これが、飛梅。
東風(こち)吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ
無実の罪で太宰府に左遷された菅原道真が京の屋敷の梅に向かって惜別の思いで詠んだ歌。
梅は道真を追って、京都から太宰府までの500kmの距離を一晩で飛んできたという伝説がある。
♪あなたがもしも遠くに行ってしまったら~ 私も一夜で飛んでいくと行った~ 忘れたのかい 飛梅
♪裏庭を抜けて お石の茶屋へ寄って
♪君がひとつ 僕が半分 梅ヶ枝餅を食べた~
高校時代もこの「お石の茶屋」を探して寄った。結構奥深いところにあったんだな。
お店の女性に、40年以上前の高校の修学旅行でこの店に来たのだと言うと、たいそう喜んでくれた。
「君がひとつ 僕が半分」という食べ方はいかがなものか。残りの半分は残したのか。持って帰ったのか。どうでもええけど。
「さださんのサインもありますよ。」というので、写真を撮らせてもらった。新しいな。
40年以上の時を隔てて、頭と心を高校時代にタイムスリップさせ、太宰府天満宮のお参りを追体験してみた。
心身共に衰えばかりを思い知らされる今日この頃だが、こういう記憶って結構鮮明に残っているものだな。
歩いているうちに、お石の茶屋への道の感じとか思いだしたからな。
あの時も秋。そして今も秋。
梅の季節に一度来てみたいものだ。
♪太宰府は秋~ いずれにしても秋~ (原詩は春)
さあ、後はスーパーに寄って目的地に行くだけ。
距離はたいしたことないけど、最後の5km、えらい山道になってきたぞ。
そんなに狭くはないけどカーブがきつい。しかも傾斜もきつい。
着いた。
本日の走行距離、70.8km。短っ!
なのに、もう5時前。遅っ!
三国志と太宰府で2時間半ぐらい費やしたからね。出発も10時だったし。
若杉楽園キャンプ場
無料キャンプ場だったが、今年の4月から有料になっちゃった。
違うところにしようかと悩んだが、コースと距離でいうとベストだと思ったから来た。
曹操、いや、そうそう、全然書いてなかったけど雨が降っております。
太宰府辺りまでは天気は悪いけど降ってないなという感じだった。その後だんだん普通に降ってきた。
山道を走りながら、雨、平日、山の中とくれば完ソロもあり得るなと考えていた。
ゲートを通ると駐車場らしき広場。誰もいない。
東屋があるから、このへんでもいいのかな。
道がある。奥に進む。
あ、人。車。いるじゃん。
このへんからもうかなり強く降ってきた。
さあ、どうしよう。奥に行くと広場があるけどな。
炊事場のかまどの間にスッポリとはまった状態で座っているダンディな男性を発見。
はむおじさん「これ、テントはどこに張ってもいいんですかね。」
ダンディ「車の通り道とかじゃなかったらいいよ。」
ダンディの車の横が空いていたので、そこに張ることにした。炊事場から近い。
久しぶりにレインウェアを着ての作業になったが、もう一気に張るしかない。どうせフライシートは乾いてないし。
タープを張っても濡れものが増えるだけなのでやめた。
ダンディと同じように炊事棟のかまどの間にはまることにした。端っこだからはまってないけど。
こんな感じ。雨の中、車までの十数メートルを何往復かしたが、やっと落ち着いた。
とりあえずビールだ。
鶏かわ。食べ出してから思い出して写真写すな。
ダンディは渋く口ひげやあごひげを生やしている。そうだ、髭男dismなのだ。勝手に命名したのでOfficialではないのだ。
微妙な距離感を保って同じ方向を向いた状態で、ポツポツと話をした。
車中泊をしながらいろいろなところに行き、鳥の写真を撮ることを趣味としているそうだ。
翌朝、ごっつい望遠レンズをつけたカメラを見せてくれた。

壁までつけて住んでいるのかと思うような人がいて、炊事場の辺りに話をしに来た。
住んでいるわけではないが、毎週来ていて同じ場所をキープしているそうな。もう主(ぬし)だね。
でも、この主が炊事場やかまどをボランティアで掃除してくれているそうじゃ。まだ言うてる。
今日もちょうど掃除してくれた後だったので特にきれいだったようだ。
キャンプ場によっては近づきたくないようなかまどもあるからね。
主は仲間がたくさんいるようで、しばらくすると一人の女性が車でやって来た。
他の男性と一緒に主のタープというか、家の中で過ごしていた。
ダンディは主ともこの女性とも知り合いのようだ。
博多の白濁した水炊きを作りたかったが、スープが大きいのしかなかった。
骨付きの鶏をコトコト煮込んでいる時間もないし。
雰囲気を出すため、鶏白湯スープを使ったが、明らかに別物になった。
〆には岡山で買ったうどんを入れた。
主に食べたのはこれだけだ。
後は残り物や乾き物をつまんでいたのか、写真を撮り忘れたのか。
この山の上からは福岡市街の夜景がきれいに見える。
そのきれいさをカメラで表現できないのは、いつものことながら痛恨の極みと言ってよい。
土砂降りといってもいいぐらいの雨の中、飲みながら何とはなしにダンディと語り合っていたわけだ。
そこへ。
「この辺に、薪ありませんでしたか?」
若い女だ。若いといっても18や20ぐらいを想像するとイメージが変わっていくから注意。
ダンディ「薪って・・・、そんなもんないぞ。」
女「この前来たときはたくさんあったのに。」
ダ「この前がいつか知らんけど、そんなもん誰かが燃やしとるわ。」
女「あ~ん、焚き火したかったのに~

何だ、これは。
この時点ではてっきりダンディの知り合いだと思った。それぐらい自然な会話だった。
だが、初対面だという。
この女、綾瀬はるかに似ている。似ているというか、そんな雰囲気がある。
後ろに男がいる。綾瀬はるかによると、興福寺の仏像にそっくりだという。阿修羅像?どの顔?
まあ、一般的な仏像の穏やかな雰囲気は持ってるかも知れない。
この二人はカップルで、仕事終わりにどうしても焚き火がしたい綾瀬はるかにせがまれて仏像くんもやってきたらしい。
どうやら綾瀬はるかが主導権を握っている。テントやその他のアイテムも綾瀬はるかのものらしい。
雨もきついし、キャンプ場まで行ってから諦めて帰ろうと思っていた仏像くんはやる気の感じられないジャージ姿だ。
ダンディが知り合いに薪をもらってきた。しかもナイフでバトニングして割ってあげている。
はむおじさんも山口の道の駅で買った安い薪を提供した。
仏像くんは遠慮していたが、あげることになった。
綾「着火剤、忘れた。」 焚き火する気あったん? 着火剤はなくてもできるけど。これも私が提供した。
焚き火ができると喜んだ綾瀬はるかは仏像くんを連れてテントを設営しに行った。
その間に、先ほどから主の家にいた女性がやって来た。ダンディと家が近いというこの女性、Mユミさんという。
女性に年齢を聞くような勇気はないが、おじさんより若く、綾瀬はるかよりは上だと言っておこう。
Mユミさんはとても聞き上手でツッコミ上手。
この後の会話をうまく回していたのは、実質Mユミさんだった気がする。
綾「お米、忘れた。」 何しに来たんや。 ダンディが困った顔して、「これやるわ」と小さい米袋をあげた。
きっとこの後「おかず、忘れた。」って来るんとちゃうか。
そんな話をしていたが、100均のグリーンカレーをちゃんと持ってきていた。
ちなみに探したらお米もあったということで、返しに来ていた。
お米を全く浸水せずにいきなりメスティンで炊くという暴挙に出た綾瀬はるか。
当然の報いで、ちょっと芯が残ったご飯が炊きあがった。
完成したグリーンカレー。仏像くんのを一口もらった。味は悪くない。
これだけでは足りないだろうと、Mユミさんがソーセージを大量に持ってきた。
はむおじさんは、これも山口県で買ったこどもピーマンを提供した。
「こども」「ピー太郎」とわざわざ手書きで書き足しているのがかわいい。
炭火ではなく、焚き火で焼くからスス臭いのは我慢。でもソーセージもピー太郎もおいしかった。
この時、ソーセージに関してダンディが下ネタを言ったがそれは無視しよう。
酔いが回ってきたダンディはだんだん呂律が回らなくなり、下ネタを連発し、ただのヒゲオヤジになっていき、そのまま眠りに落ちてしまった。
はむおじさんも日本酒を飲み出してから、酔ってるなと自覚していた。
日本酒は、福岡の地酒「如水」。
福岡県は九州だけど焼酎文化ではないらしい。
後はMユミさん、綾瀬はるか、仏像くんと4人で楽しくおしゃべりをしていた。
あれ?もう一人メガネの男性がいたぞ。いつからいつまでいたんだろう、メガネさん。
実は二人の名前も聞いていて、綾瀬はるかはSちゃん、仏像くんはMくん。
SちゃんとMくん。そのままやん、って言うたら怒られるな。
確かに主導権はいつもSちゃんが持っているように見えるけど、Mくんの優しさがあってこそかな。
Mくんは聞く話ではホントにSちゃんのためにいろいろ尽くしている。いいカップルだと思う。
酔っ払いに言われても、と思うかも知れないけど。
雨の中の完ソロを覚悟していたのに、実に楽しい夜になった。
やっぱりここは楽園だったんだな。
遠目から写してみた一枚。あ、これにはメガネさん、写ってるな。
1時を回って、解散となった。
その時点でダンディ(実はHさん)は座ったまま寝ていたので、一応声をかけてからテントに入った。
いつの間にか雨も止み、寒くもなくていい感じになった。
おやすみなさい。
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
2019.10.19
おはようございます。
寝たのが遅かったくせに、5時過ぎに目覚めた。また雨だ。かなり降ってる。絶望的だ。
6時半ぐらいまでウダウダと寝ていた。
もう皆さん起きてる。
SちゃんやMくんもさっさと撤収を始めている。
コッペリアは筑紫野市にあるパン屋さん。高校の売店などで人気があるらしい。
少し散歩してみた。
奥の方は開けた広場。普段はこっちがメインなのかな。
時間制だが、要するにデイが500円、泊まると1000円ってことか。
夜10時に来て朝7時前に出れば、泊まりでも500円だな。せわしないけど。
これは車1台にかかる金額。帰りにゲートを出るときに払う。人数やテントの数は関係ない。
昨夜、夜景を見ていた風景。
我が家に帰ってきた気分。
人がたくさんいるときは炊事棟の独占なんて許されないけどね。
洗い場はこの横にあって、そっちは独占してないからね。
SちゃんとMくん。太陽を綾瀬はるか、土星を仏像のイメージに置き換えてください。
二人は先に帰っていった。
Mくん、Sちゃんにプロポーズしたのかな。
ダンディやMユミさんにもちゃんとお別れの挨拶をして、出発。
ソロキャンプでこんなににぎやかだった夜は初めてだった。
今日は土曜日。佐賀に行く。
長崎の離島に行き、秋の旅を満喫しました。~さて、私たちはどこに行ったのでしょうか?~
秋の九州旅⑭~ありがとう九州。思い出はフェリーに乗せて。
秋の九州旅⑬~谷あり、山あり、温泉あり。九州最後の朝は志高湖の絶景。
秋の九州旅⑫~イメージ通りの日南海岸を快走・・・からの、最凶酷道265号線。
秋の九州旅⑪~宮崎の山中で、好青年ゆうちゃんに出会う。
秋の九州旅⑩~桜島から本土最南端へ。今夜のBGMは長渕剛。
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この記事へのコメント
こんばんは。いつも楽しく拝読させていただいております。キャンプ旅の途中に三國志展に行くとはさすがハムおじさんですね!
Mokusongaku さん
いつも読んでくださってありがとうございます。
「特別展三国志」は東京、福岡と2回もチャンスが回ってきたので必ず行こうと決めていました。行けてよかったですよ。
「三国志」を「三國志」と表記するあたり、さすがMokusonですね!
いつも読んでくださってありがとうございます。
「特別展三国志」は東京、福岡と2回もチャンスが回ってきたので必ず行こうと決めていました。行けてよかったですよ。
「三国志」を「三國志」と表記するあたり、さすがMokusonですね!