第３日目　　２０１８．１１．１５


出発は７時２０分。昨日より１時間早い。この１時間をいかに有効に使えるか。

今いる奥出雲から出雲大社までは５０数ｋｍ。ゆっくり走って１時間半か。
これは後の展開が楽だぞ。

この時は、余裕のよっちゃんだと思っていた。よっちゃんって誰か知らんけど。


下っていく途中の風景。麓の里は雲海の中？


道の駅「おろちの里」。
ヤマタノオロチ伝説はこの辺りの話だったか。
ざっくり言えば、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治したという話。
ざっくりし過ぎとるけど。

ヤマタノオロチってすごいな。八つの頭と八つのしっぽ。体は一つ。手足は？蛇だからないのか。
キングギドラは頭三つだからな。あんなのが２匹半以上いるわけだから。
ということでもないか。


さくらおろち湖。失礼ながら、このネーミングはこれでよかったんだろうか。


奥出雲町から出雲市に抜けるまでに雲南市を通る。
失礼ながら聞いたことなかったな。平成の大合併でできたのかな。
出雲市の南だから雲南市。至極全うなネーミングなのだが、三国志好きなおじさんには若干の違和感がある。
失礼ながら、南蛮民族に襲われなければいいが、とか思ってしまうんだな。
孟獲とか祝融夫人とか、結構手強いぞ、とか。
わかる人にだけわかってもらえばいい話。

いくら失礼ながらと断っていても、そのうち雲南市からお叱りを受けそう。先に謝っておこう。ごめんなさい。


かなり長いこと、斐伊川の堤防を走る。前後に車がいないと実に快適な道だ。
もう出勤の時間だろうが、この道はあまり走っていない。
出雲市内に入ると、さすがに車も多くなってきた。
でも、言うてる間に出雲大社。

数年前に出雲まで夜行バスで来て、その後石見銀山まで一人旅をした。
しかし、その時も出雲大社は訪れなかった。
いつ以来か。
中高生頃、友達数人でユースホステルに宿泊しながらあちこち旅行した。
その時に来たはずだ。
それ以来だとしたら、もう４０年以上ぶりということになる。

うん、こんな感じだったな。


ここは本来、木製の渋い鳥居だったのだが、今年の７月から工事をして、最近建て替えられたらしい。
この鳥居は新しすぎて、ちょっとありがたみに欠ける。


振り返ると、

神門通りの石の大鳥居が見える。ここは通っていない。



拡大しないとわかりにくいかも知れないが、白いのは全部うさぎ。
境内に全部で４６匹いるらしい。いや、うさぎは４６羽か。
４６？　ライバルは乃木坂か、欅坂か。



拝殿。
ちょうどこの前に団体客がいて、ガイドのおじさんが話しているのを聞いた。
出雲大社の参拝は二礼四拍手ですよ、って。
そう言えばそんなことを聞いたことがあるような。
なぜ四拍手なのかという説明はちゃんと聞かなかった。

私も身近にいる独り者の良縁をしっかりお願いしてきた。


本殿の正面の八足門。本殿まではいけないので、拝むならここ。



塀越しに見える本殿。この角度の写真、よく見る気がする。
高さ２４ｍだそうな。



神馬と神牛。



大国主命と白うさぎ。白兎海岸でも見たな。



緑の芝生がきれい。青空もきれい。



すぐ横にある野見宿禰神社。相撲の始祖と言われる人。
だから土俵があるわけだ。

相撲の起源とされる、野見宿禰ｖｓ當麻蹴早の戦いは日本書紀に出てくる。
出雲の宿禰が大和の蹴早に勝った。
決まり手はキック。宿禰のキックが蹴早の腰の骨を砕いて蹴り殺したという。
あらまあ。今の相撲にも「蹴手繰り」とか「蹴返し」などの蹴り技はあるが、殺したらあかんなぁ。
相撲の起源ではなくてキックボクシングとかテコンドーの起源みたいやなぁ。

１０月に当麻寺に行ったところ。１ヶ月弱の間に、このライバル双方にゆかりのある場所に行ったことになる。



そこにいたうさぎは、まわしを締めていた。


こんなうさぎまで撮ったのに、何と、ある意味出雲大社のシンボルともいうべき大注連縄の写真がない！
やらかしてしまった。

さっきの拝殿の注連縄よりもはるかに大きい。ああ、残念。


結構ゆっくりお参りしたな。
じゃあ、次に参りましょう。


すぐ近くに出雲阿国のお墓があったが、スルーした。
歌舞伎の創始者という人だが、あまり面識ないし。当たり前じゃ。



次の目的地は、車で２０分ぐらいの日御碕。


日御碕灯台。石造灯台としては日本一の高さを誇る。４３．６５ｍ。
でもどんより。


真下から見上げて高さを実感。


日本海もどんより。


松が風にやられとるなぁ。押されっぱなしか。


マトリックスかイナバウワーか。ここまで来たらすごいなぁ。


ウミネコの繁殖地、経島。
ウミネコいるのかな。


いないじゃん。


かなりのアップダウンを歩いて駐車場に戻ってきた。
ここからでも灯台は十分見えるやん。
しかし空が暗い。まだ午前中やで。


さあ、昼までに出雲大社と日御碕の観光が終わった。
残念ながら、これ以上西には行きません。
だんだんそういうことを気にするようになってるけど、実際各都道府県のあちこちに行ってるかと言えば、全く行ってない。
静岡は富士山だけだし、最初に行った愛知県なんて犬山城を見ただけ。
島根県は宍道湖、奥出雲に加えて今日の二ヶ所。ＯＫだと思う。


お風呂に行きましょう。

ニューウェルシティ出雲というホテルにある「えんや温泉」。
６００円。ここは石けんもシャンプーもある。
空いててよかった。


ここからは東に進むことになる。
鳥取砂丘の近くまで戻る。鳥取砂丘は鳥取県でもかなり東にあるから、ちょっと距離もあるぞ。
ただし、買い物はほとんど必要なし。
一昨日買った鳥取の食材がかなり残っている。島根のものも一部あるし。
ビールもお酒もある。

ないのは、カニと梨。「鳥取県」と言ってまず思いつく二大食材。
これさえ何とかすれば。



昼ご飯は安来市にある道の駅「あらエッサ」で割子そばを食べた。
「あらエッサ」はもちろん「安来節」の合いの手「あら、エッサッサー」。どじょうすくいで有名な民謡。
「やすき」じゃなくて、「やすぎ」だったのか。知らんかった。

出雲そば、ちゃんと食べることができた。
安来市は島根の一番東にある。あと少しで鳥取県米子市。ギリギリやったな。


ちなみに島根で買ったおみやげは、


出雲そば。道の駅で食べる前に買っておいたのだった。


島根ワイン。出雲大社の近くに島根ワイナリーがある。
ワイナリーには寄ってないけど。クルマ旅では試飲もできないし。


しじみの味噌汁。宍道湖で買った。

これぐらいか。鳥取のほうが多かったな。


【鳥取県】


鳥取に入ると、カニと梨を買うことが重要な使命になった。
梨はすぐに買った。１個が大きいので、皮を剥いて一人で全部食べるのは無理。そのまま持って帰った。

王秋。この季節は、王秋か新興。

問題はカニだ。
初日に鳥取に入ってすぐの道の駅「きなんせ岩美」なら１匹だけ買えた。３５０円ぐらい。
ところが、たいていは３匹１０００円。
あ、これは親ガニ（せこガニ）の話。雌のズワイガニだって。
松葉ガニ（雄のズワイガニ）の立派なやつは大きいし、値段も高い。
どう見てもソロキャンプで食べる雰囲気ではない。

別の道の駅では親ガニ１匹５００円で売ってた。ちょっと高いけどいいか。
と思ったら、ボイルしてないやつ。
おじさんの小さい鍋では入らないよ。無理に入れたら足折れちゃうよ。

このＲ９沿いは道の駅がたくさんある。
全部は寄っていないけれど、いくつかは寄ってみた。

こんなところがあった。


乗っているのは阿笠博士。


青山剛昌ふるさと館。道の駅「大栄」に隣接。
鳥取出身の水木しげると青山剛昌。
だから、鳥取県の土産物屋は鬼太郎とコナンがあちらこちらに登場している。



道の駅「はわい」。
少し南国風の木はあったが、さほどハワイを意識している感じはなかった。

結局カニは買えていない。売ってない道の駅もあるし。
ある道の駅では、礼によって３匹１０００円だったので、「１匹４００円で売ってくれないか」と交渉してみた。
おばちゃんは少し悩んで、「じゃあ、いいの選んで」と応じてくれた。
でも。
ボイルじゃなかった。残念。


往きに寄った「神話の里白うさぎ」が最後。ここはカニ売ってなかったな。


鳥取砂丘の近くまで来て、一応スーパーにも寄ってみる。
ここにもカニは売っていたが、ボイルじゃなかった。

少し足を伸ばせば「きなんせ岩美」がある。時間的にはもうかなり夕暮れだが。



その時、ふと気づいたんだ。とても根本的なことに。



私はそんなにカニを食べたいのか？



答え：そんなに食べたいわけではない。



よくよく考えたら、おじさんはそれほどカニに強い欲求はない。
もちろん友人やＰＵＦＦＹに「カニ、食べ行こう」と誘われたら、断りはしない。
嫌いなわけではない。好きか嫌いかと言われたら、好きに近いのは間違いない。
以前職場の同僚と、福井県の常神半島にある民宿に行ってカニづくしを食べたことがある。
もうカニ、かに、蟹、ＫＡＮＩ、Crab。食べきれず、かにすきが翌日の朝食に出てきたぐらい。
どれも美味しかった。もうみんな無口になって食べた。

しかし自らカニを食べたいと思うことは、まずない。
カニで有名な土地に旅行に行って、家族にカニを買って帰ったり、送ってもらったりとかもしない。


そうか。
結局、鳥取県知事が鳥取県を「蟹取県」とまで言うほどのカニ押しの土地柄に惑わされた。
それと、やっぱりビジュアル的なインパクトが欲しかったのもある。
インスタではないが、ブログ映えしそうやん。少なくともしじみよりは（しじみ、ゴメン;）。

もう、いいや。
鳥取に来てカニ食べへんか、という気もするけどな。シーズン的にはあってるわけやし。
でも、いいや。


結局どうしたかというと、帰りに「きなんせ岩美」に寄り、買った。


じゃがりこ贅沢カニだし味。
カニ味のディップを付けて食べるやつ。カニ感は確かにしたが、普通のほうが好き。

カニ絡みのお菓子は何種類もあったが、パッケージが一番バエるかなと思って選んだだけ。


午後は移動とカニ探しばかりだったな。


やっとキャンプ場に着いた。

本日の走行距離、２４０．６ｋｍ。


柳茶屋キャンプ場

３日連続無料キャンプ場。三泊四日、宿泊費ゼロ達成！

ここはクルマの乗り入れができない。駐車場から運ぶしかない。
初日に下見に来たとき、ここに停めてここにテントを張ればいいな、という企みを持っていた。
しかし残念ながら、その場所には既に先客がいたのだった。
木曜日なのに、６～７組ぐらいいる。

それでもまあまあ駐車場から近い場所を取ることができた。
久しぶりに赤いアウトドアワゴンが登場。ガサッと１回運んで、後はちょこちょこ手で運ぶぐらいで行けた。


使用するには申し込みが必要。
すぐとなりの「砂丘の家」に行き、名前や住所などを記入する。

もう暗くなったので、キャンプ場紹介は明日の朝にしましょう。

じゃあ、宴会スタート。


あご野焼き。これは島根県のもの。
昨日買ったのは大きすぎたので、すぐ食べられる小さいものを。


あごカツカレー。


あごカツが入っている。
ご飯を用意していなかったので、カレーだけ。
ラップは洗い物を減らす工夫。特にカレーは何となくにおいが残るしね。


大山ハムのウィンナー。


白ねぎ。
家の近所のスーパーで買う白ねぎはほとんど鳥取産なので、鳥取で買ってみた。ねぎの生産量、全国第９位。


１本は豚肉と炒めて塩味で。
１本は焚き火に放り込んでしょうゆをかけて。
残りの１本は持って帰った。


砂丘らっきょう。らっきょうの生産量、全国第２位。１位は鹿児島県。
おいしかったが、そんなにたくさんは食べられないので、残りは持って帰った。

後は前日までに残っていたものを食べながら、お酒を飲んでいた。

あ、お酒は、

強力。１日目に買っていた。


白バラコーヒー。結局家に帰ってから飲んだ。



ネコがいる。
１匹だと思っていたが、デザインの異なるものを発見し、さらに見ると少なくとも３匹はいる。
そのうちの１匹は、近くにテントを張っていたおっちゃんのところにしばしば潜入しようとしていた。
その度におっちゃんに大きな声で怒鳴られて逃げていた。

そいつがいつの間にか、私のテントの付近に出没し始める。
何もやらんぞ。
おじさんも真似をして、何度も追い払った。
でもしつこくまた来る。
おじさんの背後からそっと近づき、テントの前室の付近まで来て、「ミャーン」。
猫なで声とはまさにこのことだ。
気づいてほしくてわざわざ「ミャーン」。
ちょっと愛おしくなる。でも何もやらんぞ。

このキャンプ場はゴミを分別収集してくれる。
おじさんはゴミ捨て場に割と近いところにいる。
ネコはゴミ箱を漁りだした。そんなに簡単には漁れないようになっているが、ゴソゴソやってる。
お腹空いてるんやな。ちょっとかわいそうになる。でも何もやらんぞ。


夜になって一人でやってきたおじさん。
地元の人間だけど、ときどき外で焼き肉をしたくなると来るそうな。
確かにひとりＢＢＱをして帰って行った。


さ、最後の晩餐も終わり。
焚き火が消えたら寝よう。
薪がもうほとんどない。少し拾い集めたが、それも尽きてしまった。


今日は日御碕以外はほとんどいい天気だった。
ここではちゃんと月も星も拝めた。星はなかなかのものだった。


おやすみなさい。もう１１時半か。


ｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚ

ホントなら「おはようございます。」から始まるんだけど、既にかなり長くなっている。

この後もまだしばらく続きそうなので、一旦ここで切ります。

４日目の朝からは次のページで。