11月の半ば以降、ほったらかしにしていた京都一周トレイル。
東山コースのほんの一部を歩いただけで、「京都一周トレイル踏破に挑んでまーす」なんてとても言えない段階なのだ。
春になったら歩きだそう。
そう思いながら、もう4月も半ばになってきたではないか。
こんないい季節に歩かないでどうする。
そのうち暑くなって、次は秋にしようってなるのは確実。
よし、歩こう。
ちなみに、前回の記事はこちら。
今日の起点は京阪電車・
清水五条駅。
以前は「五条」駅だったが、駅名が変更になったのは2007年のこと。
この時、「四条」駅➜「
祇園四条」駅 「丸太町」駅➜「
神宮丸太町」駅になった。
「五条」「四条」「丸太町」は、同名の駅が京都市営地下鉄烏丸線にもあるからだろうね。
いちいち「京阪五条」とか「地下鉄の四条」とか言うのは、確かにちょっと面倒だった。
歴史は京阪電車のほうが古いのに、柔軟に対応したのかな。
さらに2019年には、「八幡市」駅➜「
石清水八幡宮」駅 「深草」駅➜「
龍谷大前深草」駅という変更もあった。
「神宮丸太町」ができるまでは「伏見稲荷」「鳥羽街道」「枚方公園」など4文字が最長だった。
5文字駅の「神宮丸太町」駅が誕生した12年後には、何と6文字駅が二つも。
だんだん長くなっていくのかな。
まあ、長い駅名界(?)では六文字なんて赤ちゃんサイズ。
京都にも
「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」駅が京福電鉄にあり、日本の駅で表記17文字は最長タイ、読み方26文字は単独1位に君臨していた。
しかしその九ヶ月後、抜かされた「
富山トヨペット本社前(五福末広町)」から改称された「
トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町)」が表記26文字、読み32文字でトップを奪い返したという、どうでもいい人には全くどうでもいい話があるそうだ。
トヨタモビリティのほうは、( )とか、富山とGの間のスペースも一字と数えるそうで、何か違う気がする。
そんなん言うたら、等持院のほうも「・」が入っとるけどね。
駅名より話の方がずっと長いがな。
ええから早く歩きなさい。まだ何にも進んでない。
とりあえず、前回の続きの地点まで戻る必要があるのだ。
五条通(国道1号線)のハナミズキがきれいに咲いている。
しかし外国人が多いな。
清水寺が近づいてくると、さらに増える。
視界に入る人間の6~7割は外国人じゃなかろうか。
私は清水寺には行かず、国道1号線をひたすら歩く。
こんな感じの道が続くだけで、何にも面白くない。
清水五条駅から約30分歩いて、ようやく前回通ったアンダーパスにやって来た。
前回はこのアンダーパスを出てきて清水寺を通って帰ったのだった。
だから、今日の本当の起点はここということになる。
少し東に進むと16-1の標識。
京都一周トレイルはずーっとこういった略図付きの番号標識があるので、基本間違えずに歩ける。
まず立ちはだかる、急な階段。
登ったら16-2が見えた。
清水山のほうに行くんだな。清閑寺じゃなくて。
と言うても、
清閑寺ってすぐそこにあった。
この階段を登ったらいいんだな。
登らんけど。
登らんのかい。
清閑寺は紅葉の穴場スポットと言われているらしい。
清水寺に近い割に観光客は比較にならないほど少ないそうだ。
とはいえ、結構外国人観光客に会ったぞ。
紅葉シーズンでもないのに、何を求めていらっしゃる?
ここから清水寺の子安の塔までの道を「
歌の中山」と呼ぶらしい。
ちなみにこの清閑寺の山号も「歌中山」。
この辺りの地名は「京都市東山区清閑寺歌ノ中山町」。
由来となる逸話もある。長くなるが、よかったら読んでみてほしい。
昔、真燕という僧がこの道で美しい女人に会った。心を奪われた真燕は、声をかけたくなったが思いつかなかったので、♪You're My Only Shinin' Star~ フーフフーフフーフフ~♪(←サビしか知らんやつ)と歌うと、女人は真燕の顔をじっと見た後、♪ツーイてるね~ノッってるね~フーフフーフーフフー♪~(←こっちも知らんのかい)と歌いながら立ち去ったということだ。
その歌ではないやろ。
それは「歌の中山」じゃなくて、「中山美穂の歌」やないかい。
ホントの話はこちら。
昔、真燕という僧がこの道で美しい女人に会った。心を奪われた真燕は、声をかけたくなったので「清水寺へはどう行ったらいいのか」と尋ねた。すると女人は真燕の顔をじっと見て、「この道を そのまま行けば 子安塔 そこから見える 清水寺は」というしょうもない歌で教えてくれた後、立ち去っていったということだ。
歌のレベル、低すぎやな。下の句は謎の倒置法。
こんなしょうもない話が由来で地名ができたら情けないわ。
正しくはこういうこと。
昔、真燕という僧がこの道で美しい女人に会った。心を奪われた真燕は、声をかけたくなったので「清水寺へはどう行ったらいいのか」と尋ねた。すると女人は真燕の顔をじっと見て、「見るにだに 迷ふ心のはかなくて 誠の道をいかで知るべき」という歌を詠んで、姿を消した。真燕ははっと胸を突かれ、意味するところを悟った。
「あんた、ぼんさんやのに、見る限りでは煩悩の塊どすなぁ。そんなことで、仏の道をどないして悟らはりますねん?」
真燕は女人を仏の化身だと感じた。そして「まだまだ修行が足りないよ」と教えてくださったと悟って、その後は仏の道の修行に真摯に取り組んだということだ。
長かったね。
最後の話だけにしておけばよかったのにね。
この清閑寺には、高倉天皇と小督局の悲恋物語や、西郷隆盛と月照(一緒に入水した僧)の密会場所などのエピソードもいろいろあるようだ。
お参りもしていないくせに、よくもまあ、長々と。
真っ赤なつつじを載せて、ごまかす。
外国人とすれ違いながら細い道を行くと、17。
ここから一気に山道に入る。
二階堂の道っぽい道がずっと続く。
※大分むぎ焼酎二階堂のCMに出てくるような、味わいのある渋い道を表す造語。
こんな場所で、タバコのポイ捨て?花火?焚き火?BBQ?聖火リレー?放火? 困ったもんだね。
丸太の上に、謎の積み石。意味あるかな。ないやろ。
白い花。
画像検索すると「クサイチゴ」が有力のようだが、他にも似た花が出てくるので正解がわからない。
牧野富太郎先生に聞けたらいいのに。
植物をゆっくり見ている余裕がだんだんなくなってきた。
上りはやっぱり息が上がる。普段の運動不足がこういうときに出るんだな。
しかも、17の標識の後、次が出てこないのも不安。
距離的には大したことがないからか。せめて「京都トレイル」ぐらいの表示があってもいいのに。
後ろからやって来た若者二人に、道を譲って先に行ってもらった。
背後を取られるのはちょっと焦りを生むからね。
ずっと上り坂を歩き、ようやく18-1。
あまり歩いていなかったので、久々の山歩きはかなりキツい。
ここが清水山の山頂ということになる。
ちゃんと三角点がある。
つまりここからは基本的に下っていくわけだ。
膝への負担はあるが、やはり楽になる。
こういう取り組みも行われているらしい。
確かにこの後、伐採されまくっている場所を何度か見た。
チンアナゴみたいにニョキニョキでているやつら、ゼンマイみたいだけどウラジロっていうのね。注連飾りとかに使うやつ。
この辺のやつらは、芽が二股になってる。
何か宇宙人っぽい。ウルトラセブンとかに出てきそう。
一つ目集団の中に、一つだけフタマタ星人。
木の根道だらけで、歩きにくいったらありゃしない。足を挫かないように。
同じ18にしてはちょっと離れとるな。18-2。
いろいろ分岐するので間違えないように。
私は東山山頂公園を目指してるよ。
おっと、先に進めない。大ピンチ!
大ピンチは一瞬で逃れた。迂回路がすぐそばに。
ただし、かなり急な下り道だがね。
このすぐ横でもギュンギュン言いながら、伐採作業が続いていた。
世界文化遺産貢献の森。
エエコトやと思うけど、もしかしてこの辺ってヒノキの林?
この日、ヒノキの花粉が「非常に多い」の予報やったけど。
ああ、急に鼻がムズムズしてきた。
おっと、20が出てきてしもた。
19は通行止めの区間にあったか。
つまり迂回路というよりは、ショートカットになってたんかもね。
ここまで飛ばさずに写してきたけど、これは仕方ないなぁ。
代わりに(?)サル出没注意の張り紙でも載せとこ。
日本語、わかる。
英語、だいたいわかる。
中国語、何となくわからなくもない。
ハングル、さっぱりわからない。
ここに来て、上りが急になってきた。頂上公園が近いということだろう。
ルートが細かく幾筋もに分岐している。
すべての道は
ローマ東山山頂公園に通じるらしいので、何となく緩そうな道を行く。
井上馨の詩碑。
天懸海外三千界
月満人間幾百州
侯爵井上世外
井上世外は、井上馨の雅号。
井上馨と言えば、幕末から明治時代に活躍した大物政治家。外務大臣・大蔵大臣などを歴任した人。
彼が作った詩(七言律詩)の一部が詩碑になっている。
同じ長州出身の伊藤博文の詩碑も近くにあるが、通行止めで入れない区間であった。
一気に開けてきた。到着したようだ。
東屋もあるし、奥にはトイレも見える。
21の標識は、東山山頂公園の一角に。
東山山頂公園は、気持ちのよい広場であった。
奥に駐車場が見える。
え?車で来られるの?
そうよ。東山ドライブウェイの道沿いよ。
あんなに必死で登ってきたのにね。
いや、歩くことが目的なんだからそれはいいでしょ。
こんなに高い場所なので、さぞかし景観もよかろうと思いきや・・・。
あんまり見えーん。
手前のコンクリート部分、ヘリポートだそうな。入れないので、こんな写真。
このテーブルとベンチでお昼ごはんと致しましょう。
妻が握ってくれたおにぎり二つと卵焼き。
あ、卵焼きは握ってませんよ。わかっとるわ。潰れるわ。
写真と説明が違ってるで。
おにぎりと卵焼きの写真、ないんかい。ないねん。
さあ、エネルギーを補給したので、後半戦。
と言うても、あとは下るだけ。
その前に展望台に寄ってみよう。
展望台は駐車場からすぐ。
その途中に、白い提灯みたいなかわいい花。
ドウダンツツジっていうらしい。
帰ってから気づいたけど、家の近くの公園にもたくさん咲いてたぞ。
ここは京都でもトップクラスの夜景の名所。将軍塚市営展望台と言われるところ。
昼間に来たんでは意味ないなぁ。
しかも、結構霞んでるよね。
京都タワーに寄ってみたけど、やっぱり霞んでる。
たばこのポイ捨てとかゴミとかはもちろん禁止されている。
禁止というか、したらあかんやん、そもそも。
わかりにくい写真になったけど、至る所にたばこの吸い殻やゴミ。
ここは東山ドライブウェイを通ればすぐに来られるし、駐車場から徒歩20秒ぐらいだし、そもそも無料だからたぶん若者がたくさん集まるんだろうな。おっさんも来るかもしれんけど。カップルとか。
夜景見てウットリするのはええけど、その横で彼氏がたばこをポイ捨てしてるのを見たら、彼女は何て思うんやろな。
写真と説明がまた違うで。
タンポポばっかり、変な扱いやなぁ。
青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)とあるが、青蓮院は離れたところにあり、ここは飛地境内のようだ。
門跡というのは門の跡ということではなく、皇族や公家が住職を務める寺のこと。
京都では仁和寺、三千院、大覚寺、聖護院、知恩院等が有名。
この門の先に、将軍塚青龍殿がある。
この青龍殿、平成26年に建立したというからまだ新しいね。
まだ十年も経っていない建物には、「建立」という言葉がちょっと似合わない気がする。
ここには清水寺の舞台の4.6倍の面積があるという「大舞台」も新設されているそうだ。
当然京都市街が一望できるんだろう。
ただし通常は17:00までなので、夜景の名所にはなりにくい。
しかも青龍殿の拝観料600円もかかるし。
門の写真だけ。中には入ってないの。
門に行くまでに22の標識。
ここからまた山道に入る。
イノシシの目撃情報。
イノシシってBOARって言うんか。
しばらく山道を歩くと23。すぐに帰りたい人は円山公園に向かうのもよろし。
標識の足下に、小さな仏様。
後半も安全に行けますように。
シイ林の林相改善事業なのか、この辺りは木が伐採されまくっている。
残っているのは奇跡の一本松か。松ではないな。一本でもない。もちろん奇跡でもない。
この24の地点も円山公園へのエスケープルートとの分かれ道。
青龍殿が見えているのかな。手前のは桜?もう残ってないと思うけどな。
何を写したものかわからないと思うが、青龍殿の大舞台を下から撮ったものだと思われる。
外国人観光客が大きな声で話しているのが上から聞こえた。
おお、いい感じの二階堂の道じゃ。
二階堂の道、連発じゃ。この辺りはこんな道が続く。
冒頭の一枚もこの辺り。
これはまた珍しい。何の分岐もカーブもない直線コースに出現した25の標識。
この道で合ってるの?と不安になった人には助かるだろうが、そんな人はたぶんおらん。
それなら17から18の長い上りに一つぐらい置いてくれ。
ただ、地図を見ると24と26の間はかなり距離がある。
分岐とか以外にも距離も考えて標識を置いているのかな。
続けて26みたいになったが、実際には結構歩いた。
特筆するようなことがなかっただけ。
というか、これまでも無理やり特筆してきただけやな。
ずいぶん下りてきたようで、町が近くに見えるようになった。
木々の間から五重塔(三重塔かもしれんけど)が見えたが、どこの塔かわからない。
ウェスティン都ホテル京都が間近に見える。
観覧車が見えたので、ズームアップ。京都市動物園のものと思われる。
本州で最古の観覧車なんだって。ちなみに日本最古の観覧車は函館にあるらしい。
標識27。もう少しだぞ。
尊勝院を経て粟田口だな。
ここが
尊勝院。「尊」の字は読めない。
静まりかえっている。
元三大師を祀っているそうだが、元三大師を存じ上げず申し訳ない。
境内から下りていくと、住宅街に出る。もう山道は終わり。
「元三大師」という石碑を見つけた。
このお方、平安時代の僧だが天台座主にもなった大物。
おみくじの開祖とも言われているそうな。
もうすっかり町に下りてきて、28。
今日のゴールは近い。
粟田神社。階段が見えた瞬間、そこで立ち止まった。
紅葉が美しいところだそうだ。またその時期に。
←来る可能性は低いと思われる。
今日は清閑寺も将軍塚青龍殿も青蓮院も、そして粟田神社もパス。
ホント、歩いただけ。前半の上りにかなりスタミナを奪われてしまった。
こんなことでは次回が思いやられる。
仕方ないので?鳥居付近の壁にあった、オバQっぽい落書きでも写しておこう。
何の写真?
町の建物の間に少しだけ見えた赤い鳥居。これは間違いなく平安神宮だな。
京都で一番大きな鳥居だそうな。
粟田神社の一の鳥居。
三条通に出たところで、29の標識を発見。
最寄りの駅は地下鉄東西線の東山駅だが、次回の再開を考えて蹴上まで行く。
街路樹はハナミズキ。ちょうどきれいに咲いている季節。
ウェスティン都ホテル京都の前を通ったが、ここで行われる結婚式では必ず「ハナミズキ」が歌われるとか歌われないとか。
30-1を見つけてしまったが、ここは次回のスタートで再び訪れるはず。
駅のすぐ近くには八重桜。
地下鉄東西線蹴上駅に到着。ゴ~~~~ル!!!
う~ん。体力がないなぁ。
京都トレイル東山コースは、ここからが本番なのにな。
次回は大文字山に登って、銀閣寺まで行かなあかんのになぁ。
先月行われた大学時代の同窓会で久々に再会した友人M。
彼女も去年から京都一周トレイルを歩いているそうで、既に大文字山には登ったそうな。
追いつけるのか、差が開いていくのか。
競争する意味は全くないが、励みにはしていきたいものだ。