第13日目 2019.10.27
【宮崎県】
元々予定していたキャンプ場に行っていたら、大分で2泊するはずだった。
しかし、ここ椎葉村に来たからには、最後の夜を過ごすつもりのキャンプ場まで一気に行くルートが可能だ。
大分は1泊になるが、今日のキャンプを最後にして明日のフェリーで帰ろう。
そう決めて、8時に出発。
そうだ、まだ酷道265号線の途上にあるんだ、ここは。
昨日の恐怖を思い出しながら走ったが、まあずいぶん楽なこと。
さすがに快走路とは言えない部分も多いが、川沿いの道を軽やかに走れる。
家に帰ってから見たあるブログには、椎葉村に行くには高千穂から五ヶ瀬を通るルートがお薦めとあった。
今その逆ルートを辿っているのだが、確かにこれなら「酷道」と呼ぶほどではない。
でもしょうがないじゃないか。そんな遠回りできる状況じゃなかったんだから。
さしあたって気になっているのは、ガソリン問題。
帰りはフェリーと決めたので、あと1回入れたら家まで帰れるんだが、どこで?
今日は日曜日。定休日のところ、多いんだよね。
五ヶ瀬村でようやく給油。高いのわかってたんだけどね。
めんどくさいので、満タンにした。
これでガソリン問題終了。
宮崎県有数の観光地、高千穂峡に行くぞ。
その前に「道の駅 高千穂」。
これはまた、インパクトのある方に迎えていただいたよ。
アメノウズメノミコト様であらせられたか。
八百万の神々を大笑いさせるぐらい調子に乗って踊ったんだって。ファンキーでチャーミングな神様だったに違いない。
さて、高千穂峡。日曜日の観光地は避けたかったんだが、せっかくなので。
駐車場は近いところに、とても運よく停めることができた。2台後ろからは、かなり待たされてたみたい。
名勝 高千穂峡。
主だったところしか行ってないけど。
真名井の滝。御橋の上から。紅葉の時期はきれいだろうな。
ガイドブックやサイトの紹介記事などは、こちらの滝見台からの角度が多い。
これぐらい寄った写真もよく見る。
ボートで見物する人がいるのが、この滝の特徴。
GWや夏休みなどは3~4時間の待ち時間ができるらしい。
ちなみに一隻2000円。3人乗り。30分。
ちょっと乗りたい気もしたけど、1人で乗っている人はあまりいない。
ボートが渋滞してる。
写真に写るボートは一隻か二隻がいいな。
「鬼八の力石」。鬼八さんが投げたという200トンの石。
左側に遊歩道がある。この写真ではそうでもないが、観光客がいっぱいで歩きにくいったらありゃしない。
右の岸壁は「仙人の屏風岩」。佐賀の七ツ釜で学んだ「柱状節理」。
「槍飛」。高千穂峡で川幅が最も狭い場所。
昔、戦で落城した兵士たちがここまで逃げ延びたが橋がないので、槍の柄を突いて渡ったことから。
「玉垂の滝」。
他にもたくさん撮ったけど、今日はこれぐらいにしといたろ。
なかなかいい雰囲気の場所。平日に来たらもっとよかった。
でも平日でも外国人客の団体は必ずいるからな。
ここから目的地に直接向かうつもりだったが、ちょっと欲が出た。
30kmぐらいの寄り道で、阿蘇まで行けるじゃん。
熊本県は熊本城と水俣病資料館ぐらいしか行ってないし、せめて阿蘇の写真でも撮ってこよう。
【熊本県】
にぎやかそうな広場。さて、何人の人がいるでしょう。
そんなん、たくさんおるやん。数えるのめんどくさいわ。
と思うでしょ。思ってください。
答えは、左の方に数人いるだけ。実はここからでははっきりわからない。
ほとんど、“かかし”なのでした。見物人が数人。
よかったら探してください。「ウォーリーをさがせ」より難しいと思うけど。
それにしてもこの国道325号線。
昨日と打って変わって、ホントに走りやすいわぁ。まさに快走路。
走っていて気持ちいい。
「道の駅 あそ望の郷くぎの」。
後ろに阿蘇五岳が見える。
赤牛、でかっ!
ここも日曜日。当たり前じゃ。かなり広いが、車でいっぱい。
mont-bell(モンベル)のお店がある。時間があれば、寄ってたかな。
道の駅の建物の裏には、あそ望の郷キャンプ場。うそ。
いいところだね、ここ。
さあ、ここからなのだ。
どこをどう通ったのか、しばらくわからなかったのだ。
今、ドライブレコーダーに残った映像をずーっと見ていた。
地図と照らし合わせながら見るとよくわかるね。
しかも、その時の場面場面で思っていたことを思い出して楽しいね。
思い出して、というか、独り言で言いまくってるけどね。
BGMのSuperflyとか聞きながら歌いまくってるけどね。
要するに、ナビ子が通行止めの道を案内するからとりあえず左折したら、そっちからは全然行けなくて、かなり走ってから結局戻ったというだけのことだった。
左折せずに右折していれば、ほぼGoogle マップ通りの道だったわけだ。ナビ子のせいとは言い切れない。
阿蘇山の西側をぐるりと回る感じで北上し、南阿蘇村から阿蘇市へ。
途中7.5kmぐらい、田んぼの中をずーっと走る直線道路を通りながら、昨日の酷道265号線を思い出していた。
直線なんか何メートルあったんや。
さらに国道212号線に入り、山道へ。
山道と言っても酷道265号線みたいなんとちゃうで。山岳ドライブやで。
ホントはくじゅう連山を通る「やまなみハイウェイ」といういかにも山岳ドライブを楽しめそうな道路を走りたかったんだけど。
ちょっと初期設定が違ったようで、もうちょい西を走ってたわけだ。
阿蘇のハイライトと言われる大観峰の近くを通ったけど、通り過ぎてしもた。
その辺りで撮った写真。
カルデラ、というのが意識できる風景。
内側の田園風景や町並みは内牧温泉郷の辺りだと推測される。
パノラマでも撮ってみたが、たいして変わらん。
大観峰から見える阿蘇五岳が「涅槃図」に見えるということだが、今日はきっと霞んで見えなかっただろう。
そういうことにしておこう。それがポジティブシンキングというやつだ。
北上して、南小国町から小国町。そして、いよいよ九重町から大分県に入る。
【大分県】
九重町は「ここのえまち」と読む。くじゅう連山の北の麓にある町。
南の麓には、竹田市久住町がある。これは「くじゅうまち」。
くじゅう連山は漢字で書くと「九重連山」を使い、くじゅう連山の主峰の名前は「久住山」と書くそうじゃ。
表記で揉めるのも何なので、近年は「くじゅう」とひらがなで書くことが定着したらしい。
湯布院町に入ったあたりから、国道210号線は「やまなみハイウェイ」となる。
ちょっとだけ念願の「やまなみハイウェイ」を走ることができた。特に感慨はない。
やっと目指す経由地に着いた。
90km超を2時間ノンストップ。今、2時過ぎ。
「道の駅 ゆふいん」。写真がないので、ドラレコの映像から。
こういうことができるんだったら、もっと早くからドラレコ導入しとけばよかった。
「ゆふいん」も「湯布院」と「由布院」という二つの表記がある。
昔からあった「由布院町」と「湯平町」が昭和の大合併で「湯布院町」になった。
駅名は「由布院駅」。市も「由布市」。地名で言うと、「大分県由布市湯布院町」となる。
これも「ゆふいん」と書くのが楽でよさそう。
九州屈指、いや、全国屈指の人気温泉の町に来たのだから、温泉に入るのは当然だ。
由布岳温泉。500円。
風呂自体は小さいけど、露天風呂から由布岳の雄姿が見られるというのが売り。
誰も入っていなかったので、脱衣所から露天風呂を撮った。
由布岳の雄姿の写真があった。
他の客もいたので、これ以上はカメラを持っては入れない。
実際には、露天風呂に座って浸かったら、壁に阻まれて由布岳は見えない。
浴槽に入らずに立って見れば、目の前に見える、という感じ。
湯に浸かりながら由布岳を見たければ、写真で我慢するしかない。
ところが。
露天に人が増えてきたので、内湯に入った。
その角度なら由布岳の上の方がよく見える。しかもさっきまで雲に隠れていたが、よく晴れていた。
由布岳の雄姿(の一部)を見ながら湯に浸かることができたではないか。
福岡からネットで見つけて来たという男性と少しお話してから出た。ポッカポカ。
温泉の近くの道から見えた由布岳。
湯布院は昨年の夏に家族旅行で来た。その時に歩いた場所を車で通った。
馬車ともすれ違った。
スーパーに寄って、キャンプ場に向かう。
「やまなみハイウェイ」っていう感じだなぁ。
湯布院の町並み。途中の狭霧台展望所から。
そして、スーパーを出てからものの20分。ようやく着いた。
志高湖キャンプ場
まずは受付をする。1人330円。車乗り入れ1台440円(バイク220円)。
合計770円を支払う。
はむおじさんのキャンプ旅としてはお高いほうだが、ファミリーとかだと格安か。
管理棟でもらった注意書きをデカデカと掲載しておくので、利用したい方は参考にしてください。
チェックインシステムが独特なのかな。
ダッシュボードの上に置いた乗入許可証が写り込んで気持ち悪い。
乗入許可証を発行された車だけが、このゲートの向こうに行ける。
降りてー開けてー乗ってー動かしてーまた降りてー閉めてー乗ってー動かしてー。一人だとこれがめんどくさいな。
と、そこへ親切なお方がゲートを開けに来てくださった。
ワシや、ワシや!
後ろ姿やから気ぃ抜いて加工するの忘れてたわ。もうええわ。
降りてー開けてー乗ってー動かしてー、のところで向こうから対向車が。
対向車は普通向こうから来るけどな。
また降りてー閉めてー乗ってー動かしてー、の部分をせずに済んだ。
少し走ると広場のサイト。ファミリーが多そう。
トイレ棟。
炊事棟。
広いキャンプ場だが、トイレと炊事棟はここにしかない。
そこから湖沿いに走ること、800m。
ここに決めた。
本日の走行距離、223.7km。 九州に来てからの最高記録更新。
志高湖越しに由布岳が見える抜群のロケーション。
少し角度を変えると右の鶴見岳もしっかり見える。
赤の矢印の辺り。ほとんど一番奥のエリア。志高湖は一周約2km。
少し傾斜があるけど、まあいい場所が空いてた。ただしトイレは遠いよ。
ロケーション的には湖の端っこあたりがベストポジションだと思うが、既に二組。
地面が湿地帯になっているところがあり、ジムニーなら行けるけど、私の車では危険。
二組のうち、ソロの人はそういう車。もう一組は若者ライダーズ2人組。離れたところにバイクを置いて荷物を運んでた。
左奥がファミリー。手前が私。後ろの白い車は夜になってから来た。
あ、これは朝に撮った写真です。
近くに水道が一つだけある。子どもたちが水汲みに何度も来ていた。
こういう雰囲気。いい感じです。写真はボケとるけど。
キャンプのブログや動画をよく見るのだが、九州のキャンパーのものにはしばしば登場する志高湖。
ぜひ行ってみたいものだと思っていたのだ。
そして、どうせ行くならこの奥のエリアにしようと決めていた。
土曜日ならもっといっぱいだっただろうが、日曜日なのでそれほど多くはない。
しかし、このエリアにもファミリーが二組ほどいるなぁ。
最後の夜に乾杯と行くか。
大分産かぼすブリ。かぼすをエサに養殖しているそうじゃ。
あまりアブラアブラしていない、さっぱりしたはむおじさん好みの味。
「さっぱりした」は、「はむおじさん」ではなく、「味」を修飾している。
わかっとるわ。はむおじさんはもっとアブラアブラしとるわ。してへんわ。いや、しとるわ。脂肪だらけやわ。うるさいわ。
こういう場合は、「はむおじさん好みの、アブラアブラしていないさっぱりした味。」のほうがいいのです。
黒たまご。温泉地にはよくあるが。
6個入り。
殻を剥いていると手が汚れてきて、卵もちょっと黒くなる。燻製のような味。
大分と言えば、とり天。
レンジがないので、炭火で炙った。
やわらかくておいしい。
これをかけるといっそう美味しい。「かぼすの一滴」。
後は食べなかったもの。
「だんご汁」も「やせうま」も同じ麺。
茹でて野菜と一緒に味噌で煮れば「だんご汁」。
茹でて黒蜜ときな粉をまぶせば「やせうま」。
どちらにするか検討中で、未だ食べていない。
日田
風焼きそば。
ソース焼きそばだけれど、一旦表面がカリカリになるまで焼くのが珍しい。
後日家で作って食べた。
大分麦焼酎「なしか!」。
大分の麦焼酎と言えば、「二階堂」や「いいちこ」が有名だが、どこでも買えるので。
しかも麦はあまり飲まないのと、宮崎の芋も熊本の米も残っているので、小さいのを買った。
ちなみに、「なしか!」は「なぜだ!」という意味の方言。
疑問形で答えを求めているのではなく、納得できないことに対して「なぜなんだ!」と言い切る感じ?
関西弁で言うところの、「何でやねん!」に近いニュアンスか。
静かだ。
ファミリーの子どもの声が聞こえなくなったら、ホントに静か。
鳥か獣の声と、湖から魚か何かが跳ねる音ぐらいしか聞こえない。
今日はちょっと寒い。
九州に来てからはいちばん寒い。
九州に来る前の岡山と広島のほうが寒かったけど。
焚き火が楽しい。
買い足した薪と拾った薪を思いっきり燃やした。
これで、九州全県ソロキャンプ達成だな。
ちょっと感慨深い思いを胸に、夜が更けていくのであった。
おやすみなさい。
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
2019.10.28
夜中に目が覚めて、変な音に気づいた。
何やろ? 砂利の地面を杖でつつくような音。かなり近くで聞こえるんですけど。
わかった。テントのペグが石に当たってるんやな。
フライシートを広げるだけの重要ではないペグ。ここ、土の下が石の層らしく刺さりにくかったんや。
そのペグが抜けて風に揺れて地面の石に当たってるんやな。
そう考えたらそうとしか聞こえなくなった。どっちみち外に出て確かめる勇気もなかったけどな。
そのまま眠った。
おはようございます。
九州最後の朝でございます。
子どもの声がする。もう7時前か。いい天気だ。
お!
逆さ由布岳。何ときれいに晴れていることよ。
少し移動すると、鶴見岳も見えた。
湖には靄がかかっている。
スマホで撮った写真は、赤富士ならぬ赤由布岳になってる。
トイレに行くのに歩いて9分かかった。
その途中の風景。幻想的じゃないか。
白鳥がたくさんいる。馴れているのか、近づいても気にしていない。
毛繕い、いや羽繕い?し過ぎ。全部拾ってダウンシュラフに入れたろか。
白鳥ボートもあったんだ。
トイレの横にゴミ箱。分別すればゴミが捨てられる。この旅では最初で最後。
最後に全部捨てて帰れるのはありがたい。
朝食。
パンも買っていたのだが、これはおやつにしよう。
長崎で買っていた、カップちゃんぽん。寒いのでこっちがいいな。
残っていた辛子高菜と賞味期限切れのねぎを全て混入。
志高湖の絶景を見ながら、ゆっくりコーヒーも淹れて飲んだ。
こういうのをしたかったんやな。
場所がよかったようで、かなり早くから日が差している。これは乾くぞ。
濡れたままになっていたタープを、乾かすためだけに張った。
今日は新門司港からフェリーに乗って帰る。ネットで予約もした。
夕方4時に着けば十分。ここからは2時間半の距離だ。
このキャンプ場のチェックアウトは11時。
何を急ぐことがあろう。
テントもタープもグランドシートも、ちょっと生乾きっぽかったレインウェアも全部乾かした。
せこい話だが、濡れたそれらを別々に入れていたビニール袋4枚も裏返して乾かした。
また使うこともあるから。
そうそう、忘れてた。
夜中の変な音の話の続き。
撤収するとき見たら、ペグは全部刺さってたよ。
じゃ、あれは何?
怖いので考えないことにしよう。
何やかんやで10時半近くまでいた。
せっかくなので、別府温泉に入って帰途に就こうじゃないか。