第9日目 2019.10.23
先週末から昨日の即位の礼の休日まで、お休みの日が続いた。
キャンプ旅はやはり平日がいい。
人が少ないというのがその理由だが、他の人々が働いているときに好きなことをしているという背徳感がいい。
今日は鹿児島まで行く。コースを外してまで行くところは想定していない。
移動日、っていう感じになるかも。
8時15分頃出発し、9時頃「道の駅竜北」へ。昨日紹介したお土産などを買う。
熊本での買い物はもういいのだが、氷がほしかったのでスーパーにも寄る。
氷問題もキャンプ旅では結構重要になる。
1泊や2泊のキャンプなら家で作っていった氷と保冷剤で十分だが、旅が長くなると真冬でなければそうはいかない。
通常は家で氷を作っていく。塊がほしいので味噌の容器(10cm角ぐらいの立方体)4個分。
これとロゴスの強力な保冷剤があれば、相当持つ。もちろんクーラーボックスも強力だが。
2月末から3月にかけて6泊7日で四国に行ったのだが、家に帰ってから見ると、4個のうち1個だけ小さい塊が残っていたほど。
夏場はそうはいかない。2日持てばいいほうだ。
だからロックアイスなどを買う。これは焼酎ロック用でもある。
味噌氷が溶けてなくなれば(すべて飲み水用にペットボトルに入れる)、板氷を買うこともある。
Mad氏に教えてもらったように、スーパーでただでもらえる氷を袋いっぱい詰めることもある。
Mad氏は試行錯誤の末、スーパー氷をタッパーに詰めてクーラーボックスに入れている。
今回はもう10月の後半だが、かなり暖かい。九州だからか全国的にかはわからないが。
晴れていれば日中は半袖1枚でも過ごせそうだし(運転中はほぼTシャツ1枚)、夜もそれほど冷え込まないし。
だから、氷の持ちが思ったより悪い。毎日のように氷を買い足している。
溶けたロックアイスの水はもちろん飲み水や調理用に使う。
炊事場がなかったり遠かったりするときの食器洗い用にも使う。ちょっともったいないけど、少量だから。
空になったロックアイスの袋(チャック付き)はその後ジップロック代わりに汁がこぼれそうなものの保管用やゴミ袋として再利用。
氷談義をこんなに長くする必要があったのだろうか。だれが読むん?
90%の読者には全く関心がないことであろう。
しかし、もしかして氷問題に頭を悩ましているキャンパーに一筋の光が差した可能性を全否定してよいものか。
はむおじさんは教会で光の輪を見た男だぞ。光の一筋や二筋ぐらい・・・ないかな。
「道の駅たのうら」に寄ったとき、近くに星野富弘美術館があることを知った。
寄ってみようかな。
星野富弘さんの詩集や画集はよく見たが、作品展は初めてだ。
星野富弘さんは元気いっぱいの体育教師だった頃の事故で首から下が動かなくなった。
でもものすごい努力と周囲の支えで、口に筆をくわえて植物の絵や詩を書くようになった、すごい人。
この写真の作品は入ってすぐのエントランスホールにあって撮影OKだが、あとはNGなので写真はもうない。
大きくはないが、きれいな建物だ。
入場料500円。
いやあ、心が洗われるね。絵の技術もすばらしいけど、その作品に込められた気持ちがね。
詩も心にググッとくるものもいいけど、軽妙なユーモアが好きだな。
500円でいいものを見た。
全く予定していなかったけど、こういうのも悪くない。
ちなみに星野富弘さんは群馬県の人で、熊本とは縁がない。
この芦北町は水俣病の影響もあり、重度の障害者施設や福祉施設が元々多く、福祉の町づくりが続けられていた。
その流れで、福祉施設のロビーに飾る絵を探していた所長が星野富弘さんの絵と出会い、直接交渉も経て、美術館が建てられることになったそうな。
すぐ近くに郵便局があったので、例の金を振り込んだ。前日のブログ参照。
とりあえずスッキリしたが、安全運転の教訓は忘れない。
今日行こうかなと思っていたのはここ。
水俣病資料館。入館無料。
元々行こうとは思っていなかったが、K氏が休肝日、間違えた、休館日で入れなかったと聞いたので代わりに見ておこうと思ったわけだ。
ちなみに、K氏の辞書には「休肝日」という言葉はない。
水俣病に関しては学生時代に社会の授業で習った記憶はある。
四大公害病の一つ、というか、公害病といえば水俣病というイメージがある。
でもちゃんと理解していなかったな。
水俣病患者がチッソ熊本工場や国と裁判で争って勝った、みたいな漠然としたことしかわかっていなかった。
いっぱい問題があったんだな。
裁判で勝ったとたんに、ニセ患者が出てきたり、ニセじゃないのにニセだと中傷されたり。
水俣病は感染するわけのない病気なのに、そのことで差別されたり。
「水俣病」という名称が水俣市に与えた悪影響は大きく、水俣市出身というだけで就職や結婚に支障が出たり。
そんなことから患者ではない水俣市民が水俣病患者を責めたり。
全ての資料を熟読したわけではないが、勉強になった。
小学生の総合的な学習なのか、2~3校の児童が来ていて、ちょっと混み混みだった。
一般見学者は私と年配のマダムの2人だけだったと思われる。
階段下にくまモン。
水俣市は熊本県の南の端にあり、国道3号線を走っている間に鹿児島県出水市に入った。
【鹿児島県】
買い物も出水市内でさっさと済ませた。
でも今日のキャンプ場まではまだ45kmもある。
時間的にはきょうはまだ早いから焦ることはないけど。
ただ、困ったことに雨が降ってきた。
予報通りなので仕方ないが、できるだけ早く着きたいものだ。
3時半を待たずに着いた。
本日の走行距離、153.5km。
藺牟田池キャンプ場
山に囲まれた静かな藺牟田池。正面の山は飯盛山(たぶん)。
だだっ広いフラットな芝生。車乗り入れ可。
管理棟で受付をする。このキャンプ場は無料ではない。200円払う。
ちょうど管理人さんがいなかったが、藺牟田池自然公園内にある「アクアイム」という施設に電話したらすぐ来てくださった。
トイレ。水洗トイレ。電気はセンサー式。
炊事棟。ちょっと古いが十分使える。
ニワトリ小屋。朝早く起こされるんじゃないかと心配したが、杞憂に終わった。
奥に行くと東屋。車は入れない。周回道路からは近いので、そこから無理すれば荷物を運ぶことはできるがな。
この藺牟田池、学術的にはかなり貴重な場所らしい。興味ある人は読んで。
ラムサール条約にも登録されている。
池の周りに散策コースがある。
春は桜、秋は紅葉を見に来る人がおおぜいいるらしい。
それでかな、わりと早くから「藺牟田池こっち」みたいな標識が出ていたのは。
着いたときは6~7人の若い男女グループが芝生をワイワイキャーキャー言いながら走り回っていた。雨なのに。
でも、受付をして戻るともう帰った後だった。
完ソロっぽい感じがひしひしと。九州ではまだ完ソロしてないな。
さて、どこに張ろうか。張り放題だけど。
誰もいないのでトイレや炊事場からあえて離れる必要はないな。
風はそんなに強くない。
雨は凌げるけど、東屋は使えそうにない。
炊事場の横にちょうどテントが張れるぐらいのスペースがある。
管理人さんも「そこを使ってもいいよ」と言ってくれていたが、結局荷物を運ばなくてはならない。
せっかく車横付けできるキャンプ場なのに、あえて荷物を運ぶなんてな。
結局トイレに近い場所にした。臭いもないし。
いざとなったら、最低限のものを持って炊事場のスペースに逃げ込もう。
まあ、こんな感じ。
このキャンプ旅では初めてタープも張った。
風が弱く、雨が真上から降ってくるのでタープで防げそうだ。
考えたら昼食を食べてないんだな。余裕がなかったわけじゃないけど。
午前中は熊本ラーメンに固執していたが、真剣に探さなかったので見つけられなかった。
鹿児島に入ってからは、鹿児島で昼食に良さそうなものは何?とか考えているうちに着いちゃった。
第一おつまみは、八宝菜。
さて問題です。なぜ、私はこの八宝菜を買ったのでしょうか。
①八宝菜が好物だから。
②野菜不足を少しでも補いたいから。
③半額だから。
④鹿児島の八宝菜は有名だから。
正解は・・・・全部です!
とか、思った人多いでしょ。
残念ながら、④はウラが取れていません。特に名物と聞いたことはありません。
まあ、鹿児島黒豚は有名だからそれなりには食べられてるような気もするけど。
さつま揚げ2種。これはスーパーの安いものだが、高いのは高いよ。
かんぱちの刺身。うまいに決まってるー。
鹿児島ではかんぱちの漬け丼を食べよう、といろんなサイトで見たので挑戦。
あ、ご飯がないや。
漬けだけで食べるしかない。醤油つけすぎの刺身になってしもた。
納豆どん。
鹿児島の納豆消費量、全国第23位。真ん中へん。微妙。
でもこの西郷さんと犬がかわいいし、鹿児島弁がすてき。
鹿児島弁、「西郷どん」を見てるときはマイブームだったが、もう忘れた。
鹿児島に本社を置く「ふくなが」のそば。
納豆そばにして食べた記憶があるが、写真はない。
鹿児島県産黒豚 バラうす切り。
これがなぁ。どうやって食べたか、記憶にないんだなぁ。写真もないんだなぁ。
次の日に持ち越したのかなぁ。
芋焼酎「おやっとさあ」。薩摩弁で「お疲れさま」。
はむおじさんは日常的に芋焼酎を飲んでいるので、銘柄は結構知ってたり、酒屋で見たりする。
これは見たことなかったなぁ。
まあ、これぐらい食べたらそれなりに満足。
一気に食べたんじゃないしな。今日は早くから始めたから、雨の音を聞きながらゆっくりと。
雨の音っていうか、そうだ、日本シリーズを聞いてたんだ。
巨人が弱すぎて弱すぎて。ソフトバンクが強すぎて。
阪神ファンのはむおじさんは、巨人なんか応援したいとは思わない。
九州に来てるんだからホークスを応援しようか、ぐらいの気持ちで初戦からラジオで聞いていた。
2戦目はラグビーだったけどな。
あまりにも巨人が弱いので、この日は巨人がんばれのつもりだったが4連敗。
セ・リーグ、どんだけ弱いねん。
タープの下で焚き火もした。
雨はそれなりに強い。予報では夜中が一番キツそう。
テントをずらしてタープにすっぽり収まる形にした。
これで安心。と、この時は思っていた。
今日も早めに寝ることした。
おやすみなさい。
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
2019.10.24
3時45分。目が覚めた。今思えば虫の知らせか。
風だ。雨ではなく、風の音だ。
と、その時。大きな音がしてテントが揺れた。
え、何?
タープが倒れたのかも知れない。
外に出た。
やっぱりね。
タープが倒れた。
この場所は外灯のすぐ下で、明るい。雨は小降りだ。
雨で地面が緩んで、左前の足を引っ張るロープのペグが抜けたようだ。
レインコートを着て、復旧作業。何とか戻った。
しばらくは寝付けなかったが、そのうちウトウト夢の中。
改めまして、おはようございます。
もう7時です。
おお、いい天気なのかな。
青空だぞ。
日も差してきたぞ。気分がいいぞ。
イケダパン。鹿児島県姶良市の老舗パンメーカー。
朝食は簡単に。
今日はちょっと距離がありそうだ。さっさと撤収作業。
どうせテントも乾かない。フライシートやタープは当然のこと、テント本体も下の方がかなり濡れている。
解体して気づいたが、テントとグランドシートの間に水がかなり溜まっている。
マット2枚を重ねているので気づかなかったが、ウォーターベッドになっていたようだ。
芝生にも水が溜まってジュクジュク。
起きるのが遅めだったので、出発は8時半。
鹿児島最南端を目指す。